短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント…石田淳 著

人間は、どんな人であっても本人が望むものを得ようと行動し、自分が望まないものを避けようと行動している。
では、ビジネスに携わるパフォーマーたちの望むものは一体何か?
望まないものは何か?
人間の行動に焦点を当て、行動を分析することにより、望む行動を自発的に行うマネジメントノウハウとして体系化されたのが行動分析を応用したマネジメントです。

行動分析とは、行動と結果にフォーカスして、目標をいかにして達成するのかということに焦点を当てた手法です。
望ましい行動にリインフォース(強化)し、その行動を増やす手順を実施します。
ビジネスは、行動の集積です。
リーダーの仕事は、正しい行動を指導し、部下が実践しているかチェックすることです。
結果を出すための行動を発見し、必要な行動を加え、不要な行動を取り除くことで、求める結果は必ず得られます。

●なぜ部下は仕事ができないのか?

理由は、2つあります。
(1)やり方が分っていないから。
(2)やり方は分っていても継続できないから。
仕事のできない理由が「やり方が分らない」場合、望 む行動を教えることです。
行動を分析し、チェックリストにして渡すのです。
行動のチェックのためなので、「タオルで拭く」ではな く、「タオルで拭き水分をとる」とします。
やり方を教えるためのチェックリストなのだから、やり方を的確に伝えるのが当然で、あいまいな文言だとチェック基準がぶれてしまいます。

●行動の定義:MORSの法則・具体性の原則

Measured(計測できる)
Observable(観察できる)
Reliable(信頼できる)
Specific(明確化されている)
特に重視しなければならないのは、「観察できる」ことです。
例えば、「シェイプアップする」、「ダイエットする」ではなく、「毎日1時間ジョギングする」「三ヶ月で5キロ落とす」という形にすると行動になります。
部下に指示するとき、チェックシートを作るときなど、常にこの原則を頭においておくことが必要です。

●やり方は分っていても継続できないからという場合

問題行動を変えようとするとき、ABCモデルによって現状を分析することが大変役立つ。
ABCモデルとは、 先行条件(Antecedent)行動のきっかけとなる目的、行動の直前の環境のこと行動(Behavior)行為・発言・振る舞い結果(Consequence)行動によってもたらされるもの、行動した直後に起きた環境の変化のこと望ましい結果が得られることを学習したとき、人は同じ行動を繰り返そうとする。
反対に、望ましい結果が得られないことを学習すると、同じ行動は積極的に繰り返さなくなる。

●結果を出すための5つのステップ

(1)ピンポイント
(2)メジャーメント
(3)フィードバック
(4)リインフォース
(5)評価

短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント…石田淳 著著者の石田淳氏は、他の書籍も発行されています。
ご興味のある方は、ぜひ読まれて、業績拡大に役立てて頂ければと思います。

お勧め対象者:経営者・管理職。
お勧め度:★★★★☆ 星4つ
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(桐元 久佳)