どんな山(目的・目標)に登るのかで経営が変わる

近年、京セラの創業者である稲盛和夫さんが塾頭の盛和塾 大阪で学ぶ機会を頂いております。
著書や他の塾生との対話の中から本当に大切だと思うのが、「理念の大切さ」です。
企業として、経営者として、どんな山(目的・目標)を定めるのかで、山を登る手段・方法はいろいろあっても、どんな山に登るのかで経営が変わってくるということが実感できるようになってきました。
実際、京セラの経営12か条でも第1条に「事業の目的や意義を明確にすること事業の目的、意義を明確にする 公明正大で大義名分のある高い目的を立てる。」があります。
法律同様、第1条に一番大切なもので、その目的が書かれます。盛和塾に入塾されると、ここに感化されて多くの塾生が、経営理念やビジョン・ミッションを定めます。
私もここで止まっていましたが、、、最近になってその理念を実現するためにどんな事務所を経営すればいいのか?と悩んでいたのですが、少しずつ「自分なりの解」が分かりかけています。
実際、とある先輩塾生の例なのですが、調剤薬局やドラッグストアを経営されていらっしゃいました。
崇高な経営理念を設定されました。
しかし、実際の経営の現場、特にドラッグストア部門では、近隣ライバルとの値下げ競争ばかり。
店舗スタッフだけでなく、経営者である先輩塾生もその競争にがっぷり取り組んでいました。
その先輩塾生は、経営理念と現状とのギャップを埋めるために事業のイノベーションが必要であると痛感されて、少しずつドラッグストア部門を廃止して、他の部門で売上を作っていくようになられました。
経営理念と現状とのギャップが大きかった時には、従業員さんが、主体的に経営に参画されることはなかったのですが、崇高で大きな経営理念であっても事業構造と一致しだしたと従業員さんが思われたときに、従業員さんの中に主体性が生まれたそうです。

稲盛塾長は、創業当初、得意先に営業周りをされて帰社したら、得意先の担当者との面談の様子を一から説明し、その製品が生まれることで社会的な意義や経営的な効果まで話されたようです。
京セラの経営12か条の第2条「具体的な目標を立てる 立てた目標は常に社員と共有する。」とあります。
目標だけでなく、自社の製品・サービスの社会的な意義を伝えることを通じて、事業の意義・目的も共有していく仕組みと伝えたいという情熱。
この2つがあったから京セラは強い集団になったのだと思います。
高い山である経営理念を定めただけでは、山に登ることはできません。
しかし、どうせ登るのなら高い崇高な山に登る方が面白い人生だと思います。
また、どうやって登っていくのかという手段・方法を従業員さんと一緒に検討していくことで、従業員さんとともに成長していくことが出来るのだと思っております。
私もまだ登る山を設定して、事業構造を考えているレベルです。
しかし、5年後、10年後、20年後に、スタッフやお客様と我が社の経営の歴史を笑いながら振り返られるように精進していきます。

我が社の登る山を一緒に考えてと思われたら、弊所スタッフか私までお気軽にご相談くださいませ。
まだまだ実践しきれていない私ですが、お客様とともに成長していきたいと思っておりますので。

 (桐元 久佳)