意識と行動が変わる!成果を生み出す「思考法」

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意識と行動が変わる!成果を生み出す「思考法」

  1. 成果を生む思考のメカニズム
  2. 行動と結果が変わる「思考法」
  3. 良い習慣化をもたらす「思考法」
  4. 成果を生み出す組織づくりのポイント

 


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1.成果を生む思考のメカニズム

「思考は現実化する」という言葉があります。
これは、思考は行動につながり、その行 動は、結果に結びつくことを表しています。
世の中で成功している経営者は、なぜ成功しているかというと、成果を生み出すための正しい思考を持ち、それが正しい行動を導き、 結果につながっているからであるといえます。
本レポートでは、成果を左右する思考法に焦点を当てて解説しています。
行動を変え、 成果を生む思考法を身につけ、成果につなげたいと考えている経営者の方々に参考にして いただければ幸いです。

行動を左右する「物の見方」と「思考パターン」

(1)発想を変えると状況が変わる

成果を生み出している人は、自分の考え方や行動に対して自信を持ち、前向きな思考を持っている人が多いと言われます。
例え、苦手な分野があったとしても、それをどう乗り越えるかという視点で現実を見つめ、乗り越える手段を見出しています。
例えば、「自分は話し下手である」と自認している経営者は、交渉上手な片腕を持っているなど、弱点をどうカバーするかという手段を考え、必要な手を打っています。
何をやってもうまくいかないときには、「・・・がないから・・・できない」と思い込みがちになりますが、逆に「どうしたらできるだろうか?」という視点を持ち、発想を変えると状況が変わり、良い結果につながるかも知れません。
つまり、物の見方を変えることで、状況をプラスに変えることができます。

行動を左右する前向きな「物の見方」

(2)成果を伴う人が身につけている思考パターン

成果を伴う人は、成果につながる思考法を身に付けています。
例えば、常に目標を達成させている人は、状況を冷静に見つめ、先の展開を見通し、目標から逆算してどのような方法が良いかを考え、行動し、成果につなげることができています。
以下に成果を伴う思考パターンを紹介しますが、全てのパターンを実践できれば、期待している成果を得られるかも知れません。

成果を伴う思考パターン

(3)成果を伴わない人の思考パターン

例えば、成績の上がらない部下が一生懸命に仕事を行っているものの、成果が伴わない場合に、その上司が部下の結果が悪いことに対して叱責したり、ただ頑張れと励ますだけではなかなか成果には結びつきません。
そのような場合には、うまくいかない結果を招いた原因や、達成手段をどのような思考プロセスで決めたのかまで探っていけば、状況を変えることができます。
次ページで、成果を伴わない人の思考例とその要因をまとめましたが、例えば、目先のことしか考えていない人は、全体把握を心掛けたり、その先の見通しを立ててみるという視点を持つと状況を変えることができます。

成果を伴わない人の思考例とその要因

積極的な意見の発信は自分の成長につながる

「他者へ任せるほうが気楽だ」という依存思考の強い人や、自分の意見に自身が持てない人は、会議や打ち合わせの場において、発言を控えたり、他人の意見を鵜呑みにしたりすることが多いと思います。
このような思考を持つ人は、自分の成長の機会を逃しているといっても過言ではありません。
自分が意見を発信することによって、何らかのフィードバックを得られ、自分の意見が正しいのか、間違っているのかに気づくことができ、それが自分の成長につながるからです。
いずれの意見も貴重なフィードバックを得られる機会になりますので、積極的に意見を発信していくことは、自分にとってプラスになります。

意見の発信は自分の成長につながる

2.行動と結果が変わる「思考法」

行動が変わる仮説思考

(1)目標達成につなげる「仮目標」と「複数プラン」の設定

当初立てた目標達成のストーリーが予定通りに進むことは考えにくいものです。
もし、予定どおりに進まないときに、「月末までには何とかなる」とか「後で挽回すればいい」などの希望的観測だけで何も手を打たなければ、月末に目標達成出来なかった、という結果になる可能性は高くなります。
目標達成を確実にするための方法として、仮目標(小目標)を設定し、さらに、仮目標を達成するための複数プランを用意しておく方法が有効です。
そうすれば、仮目標の達成が困難であることに早く気づくことができ、プランの変更などの軌道修正を素早く行えるからです。
例えば、今月達成すべき目標が100万円の場合、20日後までに仮目標として60万円を設定し、その仮目標を達成するプランを複数用意していたとします。
もし、プランAが予定通りにいかない場合でも、プランBを用意できていれば、すぐに方法を切り替えることができます。
このように、「仮目標」と「複数プラン」の設定によって、進捗状況を把握しながら、適切な方法を選択し、目標達成に向かって前に進めていくことができます。

「仮目標」と「複数プラン」の設定イメージ

もちろん、目標達成させるためには、仮目標や複数プランの設定をするだけでなく、「絶対に目標を達成する」という強い信念、および目標達成への執着心を失わないことも必要です。

(2)大局を掴み、正しい判断力が身につく「先読み思考」

何か物事を進める場合には、常に全体が見えていることが重要です。
自分のことで精一杯であったり、先の予測を立てないまま前に進んでいると、自分は今どこまで達成しているのかが見えなくなります。
この全体を捉えるために必要な力が大局を掴める先読み思考です。大局を掴むことで、全体を把握する力を養うことができ、周辺への意識も高めることができ、適切な行動につながることになります。
例えば、普段はスムーズに流れている道路が、今日はなぜか全く動きません。
先が見えないので状況が分からず、そのまま待っているものの30分間、一向に動く気配がない。
実は、1キロ先で事故が発生していたことが原因だったのですが、次のことを考えないままじっとしていた、という経験をしたことがある人はいると思います。

大局を掴み、正しい判断力が身につく「先読み思考」

このように、「いつもと違う」、「何かがあるはずだ」と感じたときに、先読み思考を持つことで行動を変えることができます。
先読み思考は、仕事を計画的に進めることができている人には備わっている思考である、と言われます。
目先の事項に捉われすぎ、結局うまくいかなかった、という人は先読み思考が不足しているといえます。
この先読み思考を身につけることができると、視野が広がるばかりか、正しい判断力を養うこともできます。

先読み思考の効果

優先度の低い仕事は、思い切って切り捨てる

あまりに多くの仕事があり過ぎて、どれから手をつけたら良いか見当もつかず、何も手をつけられなくなってしまった・・・このような経験をした人もいるかも知れません。
このように、自分の処理能力を超えるぐらいの仕事を抱えてしまった時には、挫折しやすくなります。
難局を乗り越えることが出来る人は、仕事の処理能力が高いことは言うまでもありませんが、優先順位をつけるだけでなく、重要性、緊急性のないと判断した仕事はいっそ手をつけずに放置しておくことが出来る人です。
このように、常に自分の頭の中で仕事を整理する思考を持っている人は、業務も効率的に行っており、成果にもつなげています。

仕事の優先順位づけに有効なマトリックス、仕事を前向きに、効率的に進めるポイント

仕事の能率が上がる人は、仕事を常に取捨選択しながら、やるべき仕事に優先順位をつけて取り組んでいます。反対に、仕事の能率の上がらない人は、自分がやるべき仕事の整理がついておらず、どれも中途半端に手をつけてしまう傾向にあります。
自分の状況を客観的に掴むためには、まずは、やるべき仕事を整理することをお勧めします。
やるべき仕事が整理されれば、自分の気持ちも軽くなり、第一歩を踏み出すことができます。

3.良い習慣化をもたらす「思考法」

生活習慣の健全化を継続するポイントは「ご褒美」と「見える化」

人の体は、すべてこれまで行ってきた行動によって出来上がっています。言い換えれば、自分の生活習慣が今の自分の体を作り上げているといっても過言ではありません。
例えば、健康診断で太り気味であると診断されたビジネスマンは、これまでの生活習慣の積み重ねの結果であるということです。
成果を生み出す前に、「体が資本」であると言われているように、生活習慣病にならないためにも、生活習慣の健全化を重要視するという思考を忘れないことです。
ただし、無理なダイエットを行うと反動(リバウンド)を起こしてしまうように、ポイントは、毎日コツコツと行っていくことです。
飲むお酒の量を控えめにしたり、軽い運動(20~30分くらいの散歩でも可)を継続していくことが大切です。
また、このような良い習慣を継続して行うために、自分に対するご褒美を設定(例えば、1ヶ月散歩を続けたら、好きな食べ物を食べるなど)したり、やったことを毎日記録に取るなど「見える化」する(散歩時間や距離など)などで継続していくという意識が高まっていきます。
良い習慣を続けるポイントは、まとめて一気に行うなどの極端な取り組みは控え、コツコツと続けることです。

良い習慣を継続させるポイント

やらない「0」と第一歩を踏み出す「1」は大きく違う

目標を決めて行動するときに大事なことは、全くやっていない状態から、まずは、第一歩を踏み出すことです。
つまり、何事も「まずは何か行動する」という思考を持つことが大切です。
何事も初めの一歩を踏み出す際には、意欲や勇気を伴います。例えば、毎朝、早起きしようと決めたとしてもいざ朝を迎えると、「あと5分だけ寝ていたい」という衝動に駆られふとんの中から抜け出せない状況から脱していざ起きるというのは、一大決心が必要となります。
このようなケースでは、まず起きたときに自分の好きな行動(コーヒーを飲む、大事に育てている花に水をあげるなど)を決めておくのが良い方法です。
心理的なハードルを下げることで、行動を起こしやすくなるからです。
決めた行動を続けるために、何のために早起きをするのかとか、早起きの目的(健康管理を徹底する、仕事を朝方に切り替える)などの目標を描いておくことも重要です。
これらを書き出しておけば、挫折しそうになったときに、書き出したものを見ることでき初心に帰ることができます。
また、継続していくポイントとしては、やり方を工夫していろいろな方法を行うことです。
例えば、散歩を始めた人が、歩くコースを変えるとか、ただ歩くだけでなく途中で体操する日を設定するなどです。
ポイントは、自分を飽きさせず、その気のさせていくことがポイントです。

行動を促すポイント

冷静に物事を捉え、正しい判断を生む思考法

(1)何事にも感謝の気持ちを忘れない

何か行動を行う場合には、客観的に現実を受け止める冷静な目を持つことが必要です。
冷静さに欠いた視点や目線では、物事を正しく判断し、行動することができません。
冷静かつ物事を正しく判断するために、「感謝の気持ち」を忘れないことが大切となります。
人は誰かに感謝すると、穏やかな気持ちになり、感情の起伏を抑える効果があるからです。
感情を抑えることによって、つい感情的になったときの偏った物の見方や、事実を誤認することがなくなり、正しい現状認識ができるようになります。
「感謝の気持ちは大切だ」とよく言われますが、それは単なるきれいごとではありません。
正しい行動を行う上で、非常に大切な思考です。

(2)他人事として物事を捉える

成果を生み出す思考法としては、「他人事として物事を見る」という方法も有効です。
起きた問題が自分に直接関係のないものであれば、「自分の事じゃないから…」という他人事として見ることもあると思います。
実は、このような物事の捉え方は、一見、冷たいようですが「冷静な思考法」にもつながります。
この思考法を自分に何か問題が起きた場合に、その状況を冷静に見極めるために、それを「他人のこと」として考える習慣が効果を生む場合もあります。
そのような見方を持つことで「完全に冷静になれる」とは言えませんが、少なくとも主観的な感情を抑え、客観的に物事を捉え、正しい対処策が思いつく場合があります。

冷静かつ正しい判断ができるポイント

4.成果を生み出す組織づくりのポイント

成長企業に見られる組織面と人材面の特性

成長企業は、社員一人ひとりの貢献意欲が高く、正しい思考に基づく行動によって成果につなげています。
それらが普段から実践できているのは、自社の組織風土が良い風土であるという裏づけになっているともいえます。
社員一人ひとりが、良い組織風土のもとで、正しい物の見方や思考法を身につけており、それが自社の発展をもたらします。
以下に、成長企業に見られる特性を組織面と人材面に分けて整理しました。
いずれも、これらの取り組みが社内に浸透されてくると、活性化された組織につながる大事なポイントになります。

成長企業に見られる組織面と人材面の特性

良い組織風土をつくるためには、まず「基準行動」の徹底が重要

職場には、その職場独特の雰囲気や暗黙の基準があり、職場のメンバーは知らず知らずのうちに、それに見合った行動をとっています。
こうした職場に根ざした気風、見えざる掟のことを「職場風土」と呼びます。
つまり、職場には、「こうするべき」、「こうするのが当たり前」という暗黙的に共有されている価値観、規範があります。
職場の価値観・規範は、社員が日常的に正しい行動や判断を行う際に、拠り所となる基準です。社員が複雑であいまいな状況の中で的確に判断し、正しい行動をするためには、価値観や規範を共有することが必要です。
こうした基準を職場で共有するためには、正しい基準行動を日頃から社員一人ひとりが実践していくことが必要です。
その実践が良い組織風土をつくり、自社の発展・収益向上につながります。
さらに、収益向上がもたらされると、社員のやる気、貢献意欲を促し、社員一人ひとりが正しい思考を持ち、行動するようになるという好循環を生み出します。

基準行動の徹底が良い組織風土をつくる

自社の成長・発展につながる経営者自身の取り組み

(1)経営者の思いの共有

組織を成長発展させるためには、経営者自ら、正しい思考や価値観を持ち、それを組織に浸透させていくことが必要です。
経営者が示す日常の行動は、良くも悪くも社員の行動に大きな影響を与えます。特に、中小企業は、トップの考え方や価値観でその組織は大きく変わります。
経営者の考え方や価値観を組織に浸透させるためには、日頃から自ら正しい行動基準を実践するとともに、自らの思い(ビジョン、方針)を社員証や社内に掲示するなどによって社員へ浸透させていくことが求められます。

(2)目標を達成させるための経営者の取り組み

自社の目標を達成するためには、社員全員の力の結集が必要となります。
そのために、経営者としては、次のような取り組みを励行するべきです。

目標を達成するための経営者の取り組み

経営者は、まず自社が達成するべき目標を明らかにします。
そして、その目標を達成するために、社員一人ひとりの役割を明らかにして、社員全員で目標を共有させます。
自社の目標達成が、社員自らが達成したい目的と重なり合ったとき、社員は正しい思考を持ち、成果につながる行動を取るようになります。

以上、成果を生み出す思考法について、「思考は行動を変える」という視点で解説してきましたが、いずれもあまり難しいものではなく、すぐに実践できるものと思います。
まずは、経営者自ら実践していただき、その行動が自社に浸透し、自社の成長につながることができれば幸いです。

■参考文献
「思考体力を鍛える」(西成活裕著、あさ出版社)
「ポジティブの教科書」(武田双雲著、主婦の友社)
「挫けない力」(石田淳、白戸太朗著、清流出版社)

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