生き残りをかけた今後の経営戦略 2012年診療・介護報酬改定予測[医業経営情報]大阪市 日新税理士事務所

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医業経営情報一覧生き残りをかけた今後の経営戦略 2012 年 診療・介護報酬 改定予測
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次回同時改定のポイントと経営戦略

診療・介護報酬改定のポイントと経営戦略
2012年度は、診療報酬改定と介護報酬改定が同時に行われる予定です。
3月の震災による影響から、日本医師会が診療報酬改定の先送りを求める意見を厚生労働省に申し入れていますが、現時点では政府・厚生労働省ともに延期等の意向は持っておらず、引き続き諸機関において議論・検討が進められており、当初の予定に従って年内には方向性が示され、 来年4月から新報酬が適用されます。
次期診療報酬改定は、全体で0.19%のプラス改定となった前回の改定とは、明らかに社会情勢が異なっています。
復興予算編成などにより財政的な制約が強まることが確実視される中、経営環境がどのように変化を遂げるかを早期に予測し、必要な対応策をとることが必須だといえるでしょう。

(1)次回改定で予測される10のポイント
次期診療・介護報酬同時改定に対応するためには、社会・人口構造の変化による環境変化を予測して、予め注目すべきポイントを把握しておくことが重要です。
同時改定で注目すべき10のポイント
次期改定については、民主党内で前回のネットプラス改定が政権交代の象徴的効果であった点も考慮し、負担と給付のメリハリをつけることで全体的な効率化を図ろうと検討を進めています。

(2)改定を予測した経営戦略の策定ポイント
医療機関の対応として、環境変化を予測し、経営に直結する診療報酬と介護報酬改定内容を把握するのは当然の取り組みです。
単に新設された評価項目や点数変更の内容を把握したり、算定の可否を検討したりするだけではなく、改定の考え方を理解したうえで自院の方針を決定し、その機能と役割に応じた経営戦略を策定することが必要なのです。
前述した10のポイントのうち、重要なものについて、具体的に整理します。
経営戦略の策定ポイント
医療介護の一体化

急性期 DPCのゆくえと一般病床の対応策

急性期病床(DPC/PDPS)はどうなる
これまで急性期病院の目指す方向として実施されてきたDPCは、2010年12月16日中医協・DPC評価分科会において、「DPC/PDPS」という新たな類型で進められることとなりました。
DPC(1日定額支払い制度) ⇒ DPC/PDPS(1日当たり定額報酬算定制度)
(1)次期改定予測~DPC/PDPS医療機関別係数のあり方
現行の医療機関別係数は、「機能評価係数Ⅰ+機能評価係数Ⅱ+収入補正調整係数」で算定されます。
このうち、収入補正調整係数は激変緩和の観点から過去4回の診療報酬改定を経て廃止され、新たに機能評価係数に転換されます。
その設定方法に関しては、次期改定を目途としてあり方を整理することとされ、次のような概念が提示されています。
DPC/PDPS調整係数見直し後の医療機関別係数
最終見直し案で提示されたのは、「新機能評価係数Ⅱ」として診療実績や医療の質向上等を評価する係数であり、これは毎年改定されることが決定しています。
つまり、毎年4~10月のDPCデータに基づいて改定することとされ、これは次のような項目で評価されます。
DPC/PDPS「機能評価係数Ⅱ」を算定する項目
(2)前年度並収入確保のための算定検討
調整係数は過去、DPCに参加したことに対するインセンティブや、出来高と比較した際のバラつきを吸収する機能を担っていましたが、廃止により改定後は前年度並みの収入確保が困難となる可能性が出てきます。
したがって、前年度並み収入を最低限維持するためには、DPCに併せて算定が可能な特定入院料等(下記)の診療点数を把握し、自院の機能に応じて可能な算定基準を満たす検討が必要です。
前回の診療報酬改定において、追加および新設されたDPC併算定が可能な診療点数には、次のようなものがあります。

DPCに併せて算定が可能な診療点数の例

一般病床13:1と15:1はどうなる?
(1)一般病棟入院基本料の前回改定内容にみる方向性
7:1入院基本料の新設など、一般病床は急性期医療に対する評価が重視されており、 それは前回診療報酬改定でも明らかとなっています。
この方向性は次回改定にいても継続されると予測されます。
平成22年改定における急性期重視の項目

(2)今後の看護配置13:1と15:1のゆくえ
急性期医療に対して手厚い評価がなされる傾向が続くと予測される現在の診療報酬体系の下では、一般病棟入院基本料13:1および15:1の算定病院は、組織の成長と発展にさまざまなハードルがあるといえます。 一般病床13:1、15:1が抱える問題
一般病床は、今後急性期への機能特化に向けてより再編が進むと推測されるため、DPC対象病院ではなく、かつ13:1以下の入院基本料を算定している場合は、自院機能と経営資源(人材を含む)を検証し、今後の経営対応策を選択する必要があります。
療養病床と精神科病床のゆくえと経営戦略

療養患者に対する国の政策方針

本来、療養病床に求められているのは、急性期病院の入院患者や在宅や施設で療養中の患者・利用者急変時における受け皿機能(後方支援病床機能)です。
現実は、社会的入院の増加や入院患者の重症化傾向など、療養病床が果たすべき機能と役割が果たせなくなっ ています。
また、医療制度改革によって打ち出された病床再編方針でも、療養病床の削減が明示されているなど、療養病床をめぐる経営環境は厳しい状況が継続しています。
さらには、地域包括ケアシステムづくりに向けた居住機能として「サービス付高齢者向け住宅」制度が創設されるなど、患者・利用者側は、施設やケア付き高齢者住宅と同じ選択肢として療養病床を位置づけている状況があります。

(1)今後求められる施設・サービス
療養患者や施設・介護サービス利用者も、住み慣れた地域でこれまでと同じ生活を続けたいというのは真の願いです。
可能であれば、自宅で療養生活を送り、看取りまでそのまま暮らせることを願う人は多くなっています。
在宅の願いは叶わないまでも、医療や介護関連施設等の「生活支援施設」をベースとし、より充実した生活を送るためのサービスを提供する居住施設や医療施設が求められているのです。
高齢者住まい法の改正も含め、大きく高齢者住宅マーケットが変わる時期に差し掛かっていますが、これから求められる施設・サービスとは、大きく施設系(介護療養型医療施設、介護老人福祉施設、介護老人保健施設等)と訪問・居住系(有料老人ホーム、適合高専賃等)に分類できます。

施設とサービスの必要性

(2)これからの入院患者の受け皿
今後の急性期に入院した患者の受け皿には、どのような選択肢があるのでしょうか。
国は下記のような多様な選択肢の整備を進めています。
「住まい」の考え方と分類

(3)療養病床の存続・成長要件~将来予測を含む
療養病床については、療養病床をこのまま維持するか、あるいは施設に転換するのかの決断の時が迫っています。
次のような診療報酬点数の施設基準を満たせるかどうかを検討した上で、療養病床の維持か施設転換かを決断すべきです。
療養病床の存続・成長要件~将来予測を含む

これからの精神科病床のあり方とは
(1)医療・介護の活動領域のはざまに存在する
精神科病床は、下記の図のとおり医療と介護のはざまに位置しているため、キュア(治療)とケアのいずれかだけを重視することはできません。
一方で、キュアとケアの双方を、医療機関が自己完結することは困難なケースがほとんどです。
ここに精神科病床の方向性決定の困難さがあります。
精神科病床の位置づけ
(2)精神科病床種別に求められる経営戦略
精神科病床では、急性期から生活期などの機能未分化、また病態特性に不適合な状態や、専門的アプローチ不足などの課題が指摘されています。
したがって、その病床種別で役割と機能を明確にしたうえで、必要な医療と介護を効果的に確保する方策を検討する必要があります。
充実したサービス提供体制と効率的資源活用へ

診療所・在宅医療の役割重視と今後の経営戦略

クリニックの使命と役割
クリニックの主要な機能は外来です。
その種類は下記の図のとおり多様化してきており、今や自院が強みとする特色を打ち出すことが経営戦略の基本となっています。
機能別にみるクリニックの分類
(1)クリニックが目指すべき外来機能と役割分担
クリニックが地域でその機能と役割を確立するためには、自院が担う位置づけを明確にし、積極的にその機能を活用する連携体制を構築することが重要です。
そのキーワードの柱となるのは、これまでも主張されていた「機能分化」と「専門性」の確立です。
自院のみ、あるいは法人グループで完結可能な診療所は、そう多くはありません。
診療所一つひとつが、地域の中で医療を完結するための一部門としての機能を担っているととらえるべきでしょう。。

疾病特性別・症状/病態経過別外来機能の充実

(2)クリニックがとるべき経営戦略
診療報酬改定は、診療所にとってプラス要素が少ない傾向が続いています。
今後も存続するためには、次のような点に考慮し、必要な資源投下を進める必要があります。
クリニックの経営戦略

今後も重視される在宅医療への取り組み
地域包括ケアシステムの推進施策と併せて、病院とクリニックはそれぞれに果たすべき役割があります。
療養中の住民がこれからも住み慣れた地域で暮らしていくためには、必要な時に必要なだけ医療サービスを提供する医療機関が、どのように地域医療連携に携わっていくかが、今後の医療施策にも重要な取り組みとして位置づけられます。

(1)在宅医療は院内の多職種連係と地域連携がカギ
在宅療養支援診療所(病院)の登場によって、在宅医療に特化した医療機関も増えていますが、今後も地域の在宅医療を支えていく体制を維持するためには、様々な連携が重要になります。
診療報酬改定においても、医療機関と在宅療養を支援する診療所等との連携の評価は、今後も充実化されると予測できます。

「単一型」から「協働型」への業務体制転換

(2)訪問看護は質の向上が必要
前回の診療報酬改定では、訪問看護に関する評価が一部見直されました。
その中で乳幼児等への訪問看護や、がん末期の対象者に対する複数名訪問の評価が新設されました。
理想の在宅医療を推進する上で、訪問介護は大きな役割を担うことになります。
今後も算定対象や安全管理体制整備に関するものについては、在宅患者のニーズに合致したサービス提供に向けた改定が推進されると考えられます。
地域ケア将来像から描く在宅医療のあり方

2011年6月15日開催の医業経営セミナー(主催:株式会社吉岡経営センター)
「2012年 診療・介護報酬同時改定予測と生き残りをかけた今後の経営戦略」 (講師 株式会社ヘルスケア経営研究所 代表 萩原輝久氏) における講演内容および配布レジュメ資料を加筆・再構成して作成したものです。

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