主治医機能を見据えたサービス提供がカギ!在宅復帰促進策への経営対応[医業経営情報]大阪市 日新税理士事務所

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医業経営情報一覧主治医機能を見据えたサービス提供がカギ!在宅復帰促進策への経営対応
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在宅復帰促進策で拡大する在宅市場
在宅復帰率要件の拡大で増加する在宅患者
(1)改定における要件強化
在宅復帰率とは、退院患者に占める自宅等への復帰患者の割合をいい、以前は亜急性期 入院医療管理料にのみ設定されていましたが、2014年(平成26年)の診療報酬改定では、7対1入院基本料をはじめとして、いくつかの病棟の基本料に対して要件化されました。
これにより下記に示したような在宅復帰率要件に該当する病院は、入院時点で退院に向 けた調整を厳格に進めるとともに、より積極的に在宅へ患者を誘導する動きが出てくることは明白で、今まで以上に強固な連携先確保のため、おのずと病診連携、病病連携が推進されることになります。
在宅復帰率に関する要件が課せられた病棟等
したがって診療所は、これらの病院と連携して、増加する在宅患者をいかに取り込むか が今後の経営のポイントになります。
今次改定における在宅復帰率の関係性
(2)在宅復帰率の要件にうかがえる連携強化と診療所のスタンス
在宅復帰率は、原則として自宅へ復帰した患者数により算出されますが、それ以外にも 下記への転院も自宅同様にカウントされます。
したがって、下記に示した自宅以外の特定施設においても受け皿としての機能を強化していかなければなりません。
自宅に最も近い場所にある診療所においては、在宅療養を支援する医療サービスを提供し、病院と連携しながら主治医機能を発揮することが求められます。
在宅復帰率の対象となる自宅以外の施設等(7対1)
外来医療における役割が強化
(1)病院勤務医負担軽減の先鋒として期待される診療所
コンビニ受診や相変わらず高い大病院志向により、病院勤務医の負担は様々な施策でも 大きく軽減されることなく、かかりつけ医に対する期待の声は年々大きくなってきています。
外来患者数の適正化は、構造的な課題への対応(初診料の保険外し等)や紹介・逆紹介 を推進することにより改善を図る方向性が示されています。
改善を図る方向性
(2)高齢化に伴う慢性疾患への対応が急務となる外来医療
現在65歳以上の高齢者は人口の約20%ですが、平成42年には約32%、平成67年には 約41%になると予測されています。
それに伴い、複数の慢性疾患を持つ患者の増加に対する適切な対応が今後さらに求められるため、診療所や中小病院は外来医療における重要な役割を担っていくことになります。
主な傷病の総患者数の割合(平成23 年厚生労働省調べ)
在宅医療大幅減算と緩和策への対応
「同一建物大幅減算」の影響
(1)「同一建物・複数患者」の大幅減算
今回の改定では「同一建物における複数患者」いわゆる施設系在宅患者に対する訪問診 療料の大幅減算が大きな反響を呼びました。
こうした背景には、高齢患者を短時間にまとめて診る「まとめて診療」や「患者紹介ビジネス」など、いくつかの不適切な事例に対する厚労省の戒め的な措置として捉えるべきでしょう。
改定前後の訪問診療料の推移
上記のように、改定後の訪問診療料は、同一建物居住者以外でほぼ現状維持、同一建物 居住者では、53~76%の大幅ダウンとなり在宅医療のあるべき姿を突き付けられた形となりました。

(2)自宅対応の在宅専門診療所・後方支援病院は高評価
在宅医療については、それを担う医療機関の確保と高い在宅医療の推進をテーマとして 掲げており、在宅療養支援診療所(以下在支診)に限らず、広く訪問診療を行っている診療所とその後方支援病院について高く評価するとして診療報酬上の加算などが設定されました。
自宅対応の在宅専門診療所・後方支援病院は高評価
新設されたこれら加算の算定要件としては、緊急往診や看取りの実績が必要となります ので、注意しなければなりません(緊急往診は年10 件以上、看取りは年4件以上)。
国が打ち出した激変緩和策の活用と課題
(1)「同一建物・複数患者」緩和策の概要
前述の「同一建物における複数患者」の問題は、その後『施設を訪問する医師がいなく なる』といった保険医協会からの反発もあり、厚労省では本年3月5日「1回の訪問で複数の患者を診療しても、それ以外の訪問で複数の日に分けて1人ずつ診療すれば減算されない」といういわゆる緩和策を打ち出しました。
緩和策における特養などの同一建物への訪問例
(2)苦戦を強いられる1人医師の診療所
緩和策といっても、上記のようなスケジュールで1日1人ずつ診ることができるのはマ ンパワーがある大きな在宅専門クリニックに限られ、外来をしている医師1人の診療所では対応が難しいのが実情です。
どうにか対応して収益を確保している診療所がある一方で、施設への訪問診療から全面的に撤退するケースも増加し始めています。
診療報酬改定による厳しい影響下で、1人医師体制で外来診療と高齢者施設等への訪問 診療を行うためには、綿密かつ実効性のあるスケジューリングと、患者情報の管理徹底が求められることはいうまでもありません。
主治医機能の強化で地域から信頼される診療所へ
主治医機能強化策の概要
(1)地域包括診療の創設
今回の改定では、新設された「主治医(かかりつけ医)機能の評価」の意義について、 それを紐解く上で重要キーワードが「地域包括診療料」及び「地域包括診療加算」となります。
この診療料と加算の概要は下記表に示すとおり、医師が複数の慢性疾患を有する患者を対象として、療養上必要な指導や服薬及び薬歴管理、健康管理、介護保険への対応、 在宅医療の提供、24時間対応などを行う場合に算定できる外来診療における診療報酬点数です。
調剤薬局などとの連携や常勤医師の必要数(3人)などの要件があり、ハードルとしては決して低いものではありません。
主治医機能について(改定内容より抜粋)
中小病院とサテライト等のグループ診療所を対象として想定されている同診療料は、月 1回算定1,503点と比較的高く設定されていますが、一般診療所を対象とした同加算は1回20点と著しく低い設定となっており、なかなか踏み切れないのが実情のようす。

(2)診療所が担う外来機能と役割分担
これらの診療報酬は基本的には、対象となる高齢者の患者に対して継続的・全人的な医 療を提供する医師をかかりつけ医として評価するという趣旨で、外来機能の役割分担という観点から、以下のように診療所を位置づけています。
外来機能の役割分担
多くの開業医からは、こうした高い算定要件や必要となる患者同意の問題から、取り組 む負担は重いにもかかわらず、一般診療所で算定可能な加算が1回200円では割に合わないといった声もあがっています。
主治医機能と入外機能分化
(1)機能分化のために必要な主治医機能
複数の慢性疾患を有する患者については、実にその約45%が複数医療機関あるいは複数診療科を受診している事実が大きな問題として存在します。
そのため、医療機関の選択については、まず主治医に必ず外来受診すること、そして主治医の判断によって、病院等の専門医療機関への紹介に基づく検査や入院ができることが重視されることから、こうした仕組みの構築が主治医機能として重要なポイントだといえます。

(2)果たすべき具体的な主治医の役割
外来における、かかりつけ医機能を充実させる観点から、高齢かつ慢性疾患を有する患 者に対して、服薬管理や健康管理、介護保険対応、および在宅・24時間対応を行うことがその具体的な役割と捉える必要があります。
主治医機能要件
地域包括ケアを見据えた取り組み事例
徹底した在宅医療の展開
(1)診察室イコール自宅というコンセプト
中核市にある医療法人A在宅医療クリニックは、その名の示すとおり、在宅医療に専門 特化した診療所です。
そのコンセプトは、「あなたのご自宅が診察室です」というもので、在宅医療について患者にわかりやすく紹介されています。
Aクリニックのコンセプト
また、その徹底ぶりは下記の標榜時間からも明らかで、これまでの「待ちの外来診療」 から積極的な「攻めの診療」への戦略的意図が見てとれます。
診療時間等
(2)目標はさらなる在宅医療の普及
診療体制は、医師(院長)1名、看護師2名、作業療法士1名、事務2名の5人体制で あるため完全予約制は必須です。
また、訪問予定の管理徹底はもちろんのこと、訪問診における情報の即時更新・共有化と、他施設等との連携体制の構築にとまさに地域包括ケアシステムの担い手としての姿を体現しているといえます。
診療体制概要
患者獲得と改定への対応が課題
(1)厳しさを増す1人医師体制の訪問診療
医療法人A在宅医療クリニックの26 年度の損益予測は、今次改定の影響もあり、減収減益の見込みです。
「同一建物・複数患者」緩和策が難しい医師1人体制の診療所が、高齢者住宅への訪問診療から撤退する動きがある中、同診療所も同様の問題を抱えていることがうかがえます。
厳しさを増す1人医師体制の訪問診療
(2)緩和策への対応と新規患者獲得により減収に歯止め
減収減益の要因は、患者数の減少があげられます。
「同一建物・複数患者」減算の影響もあり、1回当たり施設訪問で20人ほど診ていた分の診療報酬が減少したことで、大きな影響を受ける形となりました。
そこで、今期増収増益に向けて下記の取り組みを開始し、収益の改善を図っています。
緩和策への対応と新規患者獲得により減収に歯止め
複数病院と連携し、がん在宅患者の積極的受け入れを行った結果、病院側でも在宅医と の連携を望んでいたこともあり、毎月2人ペースで増加しています。
また、「同一建物・複数患者」の緩和策により、当初見込みより収入が増加、さらに追い風として在宅医療から撤退する診療所が増加したため、ベースとなる在宅患者数が急増しました。
その結果、直近6月度の月次決算では、減収に歯止めがかかり、回復傾向を示すに至っています。

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