組織的な取組みで無駄を排除!診療所コスト削減実践法[医業経営情報]大阪市 日新税理士事務所

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医業経営情報一覧組織的な取組みで無駄を排除!診療所コスト削減実践法
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コスト削減の鉄則と職員意識改革
コスト削減のための4つの鉄則
コスト削減に取り組む上で徹底しなければならない鉄則があります。
それは、以下の4つです。
コスト削減に取り組む鉄則
(1)コスト削減に関する方針を示す
院長が、コスト削減に関する明確な方針を示します。
それは、コスト削減を推進する際に、状況によっては、賃金制度の見直しや、取引先の変更や取引停止といった、経営者でなければ決定を下すことができない項目にも目を向ける必要があるからです。
全体フロー、費用分析の視点
(2)リーダー職が率先してコスト削減を徹底する
コスト削減の推進には、その前提として業務自体を改善することが不可欠です。
そしてそのためには、全職員の全面的な協力が必要です。
職員の協力を得るためには、リーダー職から率先して行うべきで、特に院長が明確な方針を示し、リーダー職が率先してコスト削減を推進していくことで、一般の職員も納得してコスト削減に取り組むようになる構図を認識する必要があります。

(3)職員に当事者意識を持たせる
いざコスト削減を進めようとしても、職員が協力してくれないケースがよくあります。
それは、コスト削減の対象が、「自分の金」ではなく、「医院の金」であり、職員に当事者意識がないことが理由です。
自分の金であれば、「もっと安いものを」と考えたり、「まだ使えるから買わない」と思ったりするものですが、自分の金ならそうはしないのに、医院の金なら気にならないといった当事者意識の欠如が、コスト削減において一番の問題点なのです。
コスト削減をしないと自院の経営が成り立たない、安定した経営のためには職員の給料をカットする可能性もあるという危機感を醸成して、職員に当事者意識を持たせることが重要です。

(4)何事もまずお金をかけない方法を考える
売上を上げるためには、費用は惜しみなく使っていい、といった時代ではなくなりました。
最小限のコストで最大の成果を挙げなければ、必要な利益を確保することはできません。
例えばマーケティング活動をみると、従来なら多額の広告宣伝費を投じて、看板を設置したり、地下鉄駅などに広告を出したりなどで、ある程度売上の増加が見込めていました。
しかし、現在ではホームページがその役目を果たし、ブログやツイッター、フェイスブックなどで、多くの人に情報提供を行うことが可能となりました。
最小限のコストで最大の成果を挙げられる方策を日々考模索することで、他の経費にも良い影響が期待できます。
固定費の変動費化と細かい削減へのこだわり
違反項目では、労働時間に関する項目が一番多く、割増賃金、就業規則に次いで、本レポートのテーマである労働条件の明示も第4位となっています。
違反件数が多いということは、臨検監督において重点的に調査される項目であるということです。
臨検監督において重点的に調査される項目
(1)固定費を変動費に変える
コストには、売上の増減や患者数にかかわらず一定額が発生する固定費と、売上や患者数に連動して変動する変動費という2つのコストがあります。
このうち固定費の構成比率が高いと、収入が減少した場合には、赤字に転落しやすくなります。
つまり、変動費の構成比率を高めるようにすることが、利益を確保するポイントになります。
固定費を変動費化する主な項目
(2)微差が大差を生む
例えば、電気代を1日100円節約する場合、「たった100円か」と思うか、「100円も節約できるのか」と考えるかによって、結果は大きく異なります。
1日100円でも、1年間では36,500円になります。
このような小さな積み重ねが100 個あれば、年間で365万円のコスト削減となるのです。
コスト削減においては、いろいろな努力の集大成が大きな結果として現れます。
そして、実行すれば必ず成果が出るものです。
一つひとつの節約を執念深く徹底的にやることが重要であり、また院内全体で取り組むことによって、医療機関の規模に関わらず、大きな成果を生むことにつながります。
コスト管理体制の構築と意識改革
(1)元に戻させない管理体制を構築する
コスト削減などの業務改善に着手すると、最初のうちは全員が意識して取り組むため、ある程度の成果がでます。
しかし、少し改善できたからといって、監視の目を緩めてしまっては、いつの間にか元に戻っていることもあります。
最悪の場合、以前より悪くなってしまうことも少なくありません。
リーダー職は、決して監視の目を緩めることなく、常に改善しようという意識を持ち続けることが重要になってきます。

(2)改善効果が出なければ方針と活動を見直す
業務改善に着手しても、すぐに効果が出ない場合には、「この取組みはやっても意味がないからやめてしまおう」といった意識が芽生えてしまうことがあります。
もちろん、一度決めた方針が必ずしも正しいとは限らず、むしろ「最初のやり方は失敗だった」という方が多いかもしれません。
しかし、改善の取り組みは実現するまでやりきることが重要であり、途中でやめてしまっては何にもなりません。
取り組んで効果が出なければ、「これまで行ってきたことが本当に適切な手段であったのか」、それとも「やり方は間違っていないがやり切れていないのか」について検証する必要があります。
使用量把握・委託先見直しによる変動費削減
変動費削減マネジメントの基本
月次損益計算書などは、下図のように費用科目を元帳からエクセルシート等へ落とし込みをして、月次展開できるようにします。
これにより本来固定費と考えていたものが、想定外の変動を示し、特定の月だけが極端に増加しているといった勘定科目がひと目で確認できます。
変動費削減マネジメントの基本、変動費と固定費
医薬品費削減に向けた購入量の見直し
医薬品費のように、医業経営と密接に関わる費用は「必要なものを、必要な量だけ購入する」という原則を徹底します。
医薬品や医療材料、消耗品は、注意していても余分な在庫を抱えてしまうケースが多いことを認識する必要があります。
(1)在庫(定数)を減らす
外来の薬品棚や冷蔵庫等にある医薬品は、定数管理表などによりチェックをし、払い出しを行っているケースが多くみられますが、リーダー職が現場の定数チェックに関与しない仕組みは、以下の点で好ましい体制とはいえません。
在庫(定数)を減らす
(2)品目数(種類)を減らす
同じような薬効の薬や同一製品の規格違いなどは、できるだけ最低限の種類に絞り込むことが有効です。
このことは、医薬品の安全管理上の観点からも重要なファクターです。
医療材料費削減の組み立て
基本的な考え方は医薬品と同様ですが、医療材料費は医療機関の規模や機能、役割によって大きな差があるため、標榜科目などに応じて削減への取組みを進める必要があります。
(1)医療材料費
(1) 単価×量の分解とロス構造の把握
物の費用の削減において重要なのは、「単価×量」の分解と「ロス構造」の把握です。単価と量を分解することにより、購入の仕方と使い方の見直しが改善の方向性となるうえ、非効率性が発生してしまうロスの構造を把握することで、どこでどのような無駄が発生しているかを明らかにすることができます。
「ロス構造」の理解
(2) 単価とロスの削減ポイント
単価とロスの関係にスポットを当て、削減ポイントを次にまとめました。
単価とロスの削減ポイント
検査委託費関連項目削減のアプローチ
検査委託費については、医療事務や清掃委託と違ってほとんど見直しを行う機会がない費用ということができます。
しかし、検査センターも本来毎年評価は行うべきであり、少なくとも精度管理の確認や、請求明細にある検査項目内容と実施内容の精査は自院の責務として行う必要があります。
◆検査委託見直しの検討を行ったAクリニックの事例と見直し効果
【Aクリニックの概要】 整形外科
Aクリニックでは、B検査センターに検査委託を行っていますが、月額委託料は平均で504千円となっており、業務委託を見直すことはもちろん、精度管理や請求書と実施項目の突きあわせなども全く行っていませんでした。
そこでC検査センターの営業担当を招き、現状の病院形態(主要診療科目と病床数、検査実施数)を提示し、委託料を見積らせた結果、下記となりました。
C検査センター検査実施料
この検査センターに委託先を切り替えた場合、医療法人Aにおける最初の3年間は、現在の委託料の5%となるため、月額25.2千円となります。
よって、3 年間合計で907.2千円となり、現在の委託費と比較しますと約17,237千円の削減効果となります。
ただし、委託先変更により、オーダーの流れが変わってしまうケースがあるため、院内全体のコンセンサスを得る必要があります。
業務・支給方法・手当の見直しで人件費圧縮
業務見直しによる時間外削減
診療所では最低限の人員数で業務を行っているところが多いため、レセプト提出前などの繁忙期には、やむを得ず一定の残業や休日出勤が必要になるのが一般的です。
しかし、そのような状態が恒常的になっているようであれば、目先の状況に振り回されて人件費をいたずらに増やすことになり、長期的には人材を疲弊させ、転職を招くという最悪のリスクを抱えていることになります。
残業や休日出勤の多くは、業務負担の偏りが原因になっています。以下のような手順で負担をならし、業務の平準化が求められます。
(1)時間外労働のチェック
(1) 職員の残業状況を把握する
誰がどれだけ残業や休日出勤をしているのかについて、賃金台帳やタイムカードをチェックし、時間外労働の現状を把握します。
(2) 時間外労働が特に多い職員がいる場合
残業や休日出勤は、特定の個人に集中する傾向にあります。
時間外労働の状況を確認した結果、特に時間外労働が多い職員が見つかった場合には、その業務内容を調査する必要があります。
続いて、本人あるいは直属の上司から聞き取りを行い、業務全体を日次業務、月次業務、年次業務の3つに区分して、それぞれについてどれだけの時間をかけているか書き出します。
聞き取りでは実態がよくわからない場合は、実際に1ヶ月程度、直属の上司に当該職員の業務内容を調査します。
また、同時にその職員が所属している部門のほかのメンバーについても、残業状況と業務の状況を同じように調査・把握します。

(2)時間外労働見直しポイント
特定の職員に時間外労働が多いのであれば、その職員個人の業務効率が悪いか、あるいは、他の職員との業務バランスに原因があることが推測されます。
個人に問題があるならば、個別に研修や教育を行い、能力アップに取り組みます。
そうでない場合は、部門の役割分担や、業務フローに偏りが生じている可能性が高いと推測されるため、特定の職員に負担が集中しすぎないように業務フローや職務の割り振りの見直しが必要です。
給与の見直しによる人件費圧縮
(1)支給方法の見直しで社会保険料を圧縮
毎月納付する社会保険料は、原則として4~6月に支給された給与にその後1年間拘束されます。
よって、4~6月(給与を翌月に支給する場合は3~5月)に残業や休日出勤が多いと社会保険料においては大きく不利になります。
また、基本給や諸手当などの固定給が変動し、尚且つ3ヶ月平均の給与額が2等級以上変動すると、月変(随時改定)該当となり、4ヶ月目から社会保険料が変更されます。
毎月納付する社会保険料を節約する為には、まず「7月1日の算定」と「月変」の仕組みを理解することが重要です。
(1) 標準報酬月額の各等級に対する“給与額の幅”に注意
例えば、給与が229,999円(健康保険18等級、厚生年金保険14等級)の場合と、230,000円(健康保険19等級、厚生年金保険15等級)の場合では、給与額自体はたったの1円の差ですが、納付する社会保険料は1年間で約65,000円の差が生じます。
また、230,000円の給与の職員と249,999円の職員は、約2万円の給与格差がありますが、1年間に納付する社会保険料は全く同額です。
よって、給与額を決定又は変更する場合は、標準報酬月額の各等級に対する給与額の幅を意識して決定する必要があります。
(2) 昇給は7月(以降)の給与で実施
4~6月の給与で昇給を行なうと「算定」の対象になってしまいます。
7月に支給する給与で昇給や諸手当のアップを行なえば、その昇給額が社会保険料に反映されるのが“1年遅れ”になります。
(3) 精勤手当などの出来高給は奇数月に隔月支給
精勤手当などの出来高給は、出勤率などの計算期間を2ヶ月間にして、奇数月の給与で支給します。
その理由は、偶数月に支給するより、4~6月の給与を対象とする「算定」で有利になるためです。
(4) 育児休業月変の有効活用
育児休業取得後に何らかの理由で給与が減った場合、わずか1等級の変動でも月変の届出を行なうことが出来ます。
また、この育児休業取得後の月変は、固定的賃金の変動も要件とされていませんので、残業代などの変動給が減った場合でも、3ヶ月平均の給与額が1 等級変動すれば月変の届出が出来ます。

(2)各種手当見直しによる人件費圧縮
医療機関は、職員の大部分が医療の有資格者で構成され、人が収入を生み出す組織であることから一律人件費カットというわけにはいきません。
とはいえ、固定費最大の項目であるため、圧縮に向けた取組みは進めるべきであり、人事考課制度の構築などによってメリハリをつける仕組みは必要です。
支給目的が明確でない手当の洗い出し、各種手当を廃止する場合の留意ポイント
省エネ・省資源によるコスト削減
期間満了の通知を10 日前に行った事例
省資源・省エネへの取り組みは、紙・ゴミ・電気の節約など身近な活動ですから、小さな積み重ねが非常に重要になってきます。
電気使用量の削減、水使用量の削減、紙使用量の削減
直近の損益計算書や残高試算表、総勘定元帳などを見るときには、削減の余地が多いと思われる経費支出額の大きな項目から、順に内容を分析していくのが原則です。
また、前年同期間と比較して、大きな増減がみられる項目については、その原因を重点的に調査することも重要です。
利用制限と支出管理によるコスト削減
固定費の中でも、3K費用といわれる「広告宣伝費」「交通費」「交際費」を削減することは、非常に重要です。
これら3K費用削減のポイントは、利用制限と支出管理にあります。
特に医療機関は、役員や医師との関係において、タクシーチケット等の使用や、ゴルフ、飲食といった費用に対して管理をなおざりにしがちであるため、重点対象として管理を徹底します。
3K費用削減のポイント
(1) 広告宣伝費
現在支払っている広告をすべて抽出し、効果の少ない広告を中止します。
●
また、地域密着を目指し、診療圏内の無料パブリシティへの記事掲載などによって広告費の削減を図ります。
基本的には、広告宣伝のために支出した金額に見合う以上の貢献を、診療所にもたらさなければなりません。
資金的な制約からも、単に医療の評判が向上したといった抽象的な基準ではなく、新患の増加による売上や利益などの「具体的な金額貢献度」で広告宣伝活動を評価する判断基準を持つべきです。
(2) 旅費交通費
出張旅費は、一旦ルールを決めてしまうと中々見直しをかけることの少ないコストの一つですが、見直してみると様々なムダが潜んでいることもあります。
旅費交通費削減のポイント
学会等による遠隔地への出張時には、ちょっとした工夫で旅費を大幅に節約できることがあります。
活用できる主な割引制度
(3) 接待交際費
交際費については、事前申請とその申請内容を監査することが必要です。
税務調査でも私的な飲み会等は否認されますが、同様の視点で、その交際費が診療所にとって必要なのかを判断したうえで、最低限の支出に抑える取り組みを行います。
接待交際費

■参考文献
『みるみる<利益>が増えていく!経費節減徹底マニュアル』すばる舎リンケージ
『今すぐ使える、効果が出る!「病院の業務」まるまる改善』日本医療企画

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