事業継続を最優先とした支援策 各種助成金・ 給付金の活用法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

事業継続を最優先とした支援策 各種助成金・ 給付金の活用法

  1. 医療機関で活用可能な各種支援策
  2. 給付金・助成金申請の留意点
  3. 第二次補正予算による医療関連の支援策
  4. 資金繰り支援融資等の相談窓口

 


この記事をPDFでダウンロードする。

 

1.医療機関で活用可能な各種支援策

新型コロナウイルス感染症拡大により、特に大きな影響を受けている事業主に対して、事業の継続を支え、事業に活用できる支援策が次々と創設されています。
具体的には、各種助成金・給付金による補助、資金繰り支援としての無利息無保証融資等の相談窓口の設置、税・社会保険の納税猶予や納付期限の延長等です。
また、これらの支援内容も第一次補正予算、第二次補正予算によって、より活用しやすいよう、条件や金額の拡充がされています。
様々な条件や基準がありますので、上手に活用して経営の維持を図ることがポイントとなります。

1.助成金・給付金関連の支援策

新型コロナウイルスの影響で患者が減少し、休診するなどの対応により、スタッフを一時的に休業し、雇用を維持した際に、休業手当等の一部を助成する措置があります。
また、感染症の拡大で特に大きく影響を受けている事業主に対して、事業の持続化継続化を支えるための給付金もあります。
さらに、小学校等に通う子どもがいるスタッフの休職に伴う所得減少に対応する助成金も創設されており、雇用の正規・非正規を問わず対象となっています。

助成金・給付金関連

2.資金繰り支援事業の支援策

融資制度、信用保証制度の両面から、事業者の資金繰りを支援できるよう、政府系金融機関や民間金融機関双方での多数の融資制度が活用できます。
また、金融庁は、事業者の資金繰りに重大な支障が生じることがないよう、関係機関と連携し、政府系金融機関等に対して要請を行いました。

資金繰り支援と相談窓口

3.税・社会保険料等の支援策

多くの事業者の収入が急減している状況を踏まえ、国税や地方税の納税猶予や軽減、欠損金の繰り戻し還付、社会保険料等の納付期限の猶予制度、国民健康保険、後期高齢者医療制度及び介護保険の保険料(税)等の徴収猶予等、が認められる場合があります。
また、電気・ガス料金の支払いについても支払いの猶予について、柔軟な対応を行うよう、電気・ガス事業者へ要請を行っています。

税・社会保険料等

2.給付金・助成金申請の留意点

影響が顕著な事業者への支援策として、給付金や助成金制度が新設や特例措置、条件の拡充がされています。
各種申請について条件がありますので、留意することが必要です。

1.雇用調整助成金の特例措置

経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練または出向を行い、労働者の雇用維持を図った場合に、休業手当等の一部を助成するものです。

雇用調整助成金の条件

2.持続化給付金

感染症拡大により、特に大きな影響を受けている事業者に対して、事業の継続を支え、経営の支援として事業全般に広く使える給付金があります。

持続化給付金

3.家賃支援給付金

売上の急減に直面する事業者の事業継続を下支えするため、地代・家賃(賃料)の負担を軽減することを目的として、テナント事業者に対して「家賃支援給付金」があります。

家賃支援給付金

4.小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援

新型コロナウイルス感染症に関する対応として、小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子どもの保護者である労働者の休職に伴う所得の減少に対応するため、正規・非正規問わず、労働基準法上の年次有給休暇とは別途、有給の休暇を取得させた企業に対する助成金が創設されました。

小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援

5.働き方改革推進支援助成金

新型コロナウイルス感染症対策として特別休暇制度を就業規則に整備する中小企業事業主に対して助成する制度です。

働き方改革推進支援助成金

3.働き方改革推進支援助成金

令和2年度の第二次補正予算において、新型コロナウイルス感染症に伴う医療関連の支援について、事態の長期化と次の流行の波にも対応できるよう、4つの観点から医療関連の支援を実施することになりました。
1番目は感染リスクを抱えながら医療を提供する医療従事者への支援、2番目には新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関への支援、3番目は地域医療の確保に必要な診療を継続する医療機関への支援、4番目は万全な検査体制、ワクチン・治療薬の開発支援となっています。

1.新型コロナ緊急包括支援交付金の増額及び対象の拡大

医療提供体制整備等の緊急対策として新型コロナ緊急包括支援交付金がありましたが、今までの事業のほか、新たに4つの事業が追加されました。

新設の事業

2.医療従事者への支援

感染リスクを抱えながら医療を提供する医療従事者への支援策として、新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金の支援とマスク等の医療用物資の確保と配布が行われることになりました。

事業目的と事業内容、マスク等の防護関連品の確保と配布

3.医療機関等における感染拡大防止等の支援

今後、新型コロナの感染拡大と収束が繰り返し行われていくことが推測される中で、医療機関等においては、それぞれの機能・規模に応じた地域における役割分担の下、必要な医療提供を継続することが求められます。
医療機関等において、院内での感染拡大を防ぎながら、地域で求められる医療を提供することができるよう、感染拡大防止等の支援を行うことになりました。

感染拡大防止対策等に要する費用の補助

4.PCR等の検査体制の強化

万全な検査体制とワクチン・治療薬の開発支援策として、地域外来と検査センターの設置と研修の推進、PCR・抗体検査の実施、ワクチン・治療薬の開発資金の補助、ワクチンの生産体制の整備に対して、補助を行うことになりました。

検査体制のさらなる強化

5.福祉医療機構の優遇融資の拡充

第一次補正予算での福祉医療機構の優遇融資拡充策について、貸付限度額の引き上げや融資条件での据え置きや金利の拡大、資金繰り対策として診療報酬の概算前払い等の条件が拡充されています。

優遇融資の拡充

4.資金繰り支援融資等の相談窓口

新型コロナウイルス感染症対策の一環として、事業者の事業継続等を支援するために、経済産業省や財務省等でも相談窓口を開いていますが、中小企業再生支援協議会や商工中金が「新型コロナウイルス感染症に関する特別相談窓口」を開いて、対応の支援を行っています。

1.中小企業再生支援協議会

中小企業の事業再生に向けた取り組みを支援する公的機関です。
事業再生支援の専門家が、取引金融機関への対応方法や資金繰り・事業計画の作成で困っている事業者や、経営診断を希望する事業者の相談を受けています。
新型コロナの影響で資金繰りに悩む中小企業の事業者へ「新型コロナ特例リスケスケジュール」を立案し、企業支援を行っています。

新型コロナ特例リスケスケジュールの概要

具体的には、特例リスケ策定にかかる助言や、金融機関調整を支援し経営者の負担を軽減し、金融機関調整・合意形成を行います。
また、特例リスケ計画を策定後、毎月1回、計画遂行状況をモニタリングします。

新型コロナ特例リスケスケジュールの概要

相談の対象となる事業者は、開業届を提出済みの中小事業所であれば、職種を問わずに相談可能です。
なお、個人事業者も対象となります。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小事業所に対して、窓口相談や金融機関との調整を含めた特例リスケジュール計画策定支援を行うため、新型コロナウイルス感染症特例リスケジュール実施要領を令和2年4月1日に制定したものです。

2.商工中金の特別相談窓口

商工中金では「新型コロナウイルス感染症に関する特別相談窓口」を設置して、新型コロナウイルス感染症の影響により資金繰りに支障をきたしている中小の事業者からの相談に対し、危機対応業務の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の融資で対応します。

特別相談窓口対応の流れ、制度融資ご利用に当たっての留意事項

新型コロナウイルス感染症特別貸付は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、原則、直近1カ月の医業収入が前年又は前々年の同期比5%以上減少していて、かつ、中長期的に業況が回復し発展することが見込まれる方が対象となります。
また、申請手続きについては今後公表されますが、別途「特別利子補給制度」により、一定の要件(収入減少:中小企業▲20%以上、小規模事業者▲15%以上など)を満たす方は、残高1億円まで、当初3年間は、金利0%となるまでの利子補給を受けることができます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。