少数精鋭で成果を上げる!個人とチームが取組む「段取り術」

1.個人・チームの成果を最大にする「段取り」

1.少数精鋭組織において成果を上げるためには「段取り」が必要

今日、企業が置かれている厳しい経営環境においては、「少数精鋭」で高い業績を上げられる組織が求められています。
「少数精鋭」の組織においては、必然的に一人あたりの業務量は増加するため、一人ひとりが時間のロスをなくし、いかにコストパフォーマンスを最大化できるかを考えなければなりません。
そのときに考えるべきことは、個人、及びチームにおいて、「段取り」を考えた業務を行うことです。
なぜならば、「段取り」次第で個人の能力向上やチームの業績に大きく左右するからです。
今回は、少数精鋭の組織において、成果を最大化させるために個人、チームのそれぞれの視点でどのような段取りが必要であるのかについてまとめています。

チームに必要な2つの段取り、上手な段取りによって生み出される成果

2.段取り上手と段取り下手に見られるそれぞれの行動パターン例

いわゆる「段取り上手」と言われる人は、優先順位をつけながら、計画的に、かつムダなく業務を進めています。
「段取り下手」といわれる人は全くその逆です。
以下に、ある職場における2人の社員の段取りについて比較した例を紹介します。
明らかにAさんの方が「段取り力」は高いということが分かります。
Bさんのような業務の進め方では、作業効率が上がらず、余計なコスト(時間、お金)がかかることは明白です。
「段取り上手」になるためには、業務が完了するまでのプロセスを描くことができる「計画性」と、与えられた業務を確実に成し遂げようとする「実行力」が鍵を握ると言えます。

指示された業務に対する取組み方の比較例

3.チーム内における業務と役割の変化

企業がチームを形成する目的は、個々人の力を集結し、1+1=2ではなく、3以上の結果を生み出すことにあります。
ですから、チームとして「段取り」を考えた効率の良い取組みを考えなければなりません。
チーム内では、立場によって主な業務内容が変わります。
チームリーダーとチームメンバーでは、期待される役割が異なるからです。
チームリーダーには、チーム力を最大にするような取組みや将来を見据えた創造的な業務を行うことが求められています。
チームメンバーには、定型業務をより業務効率を高めるために業務の標準化を進める他、業務の幅を広げながら、自身の能力を高めていくことが求められています。
下記に、3つの業務と、それぞれ立場ごとの業務ウェイトを整理すると以下のようになります。

チームにおける3つの業務、チーム内の役割ごとにおける業務ウエイトの変化

2.個人の「段取り力」を高めるポイント

1.自身の「段取り力」をチェックし、カイゼンを図る

段取り上手な人は、カイゼン上手とも言われます。
他社に負けない業務をしたい、もっと利益の出る業務をしたい、もっと効率の高い業務をしたいといった上昇志向の意欲を持っています。
この意欲がカイゼンの原動力となり、 段取り力の向上にもつながります。
自身の段取りをカイゼンするために、これまでの段取りをチェックしてみましょう。
チェック項目があれば、即カイゼンを行い、「段取り力」を向上させる必要があると言えます。

自身の段取り度チェック

2.業務の「見える化」で段取り上手になる

私たちは、自分の業務について、スケジュールが見えていないと、大事な業務を後回しにしてしまったり、忘れてしまったために挽回するのに余計な時間がかかってしまうようなことがあります。
このような状況にならないためには、自分の業務を「見える化」し、段取りよく業務を行っていかなければなりません。
以下は、職種別の日常、非日常的な業務例です。
いずれの業務についても、「見える化」することによって段取り力を高めることができます。

職種別業務例
「見える化」する方法としては、自分の今後のスケジュールをアウトプットする方法と、実際の業務内容をアウトプットする方法があります。
また、日常業務にのみ偏って段取りを考えがちですが、非日常業務についても年に数回の業務ではあるものの、やり直しが困 難なことから「段取り力」は欠かせません。

(1)日常業務は、スケジュールを「見える化」し、段取り力を高める

一般的な方法として自分自身の予定表を作成する方法があります。
一つひとつの業務を優先順位に従って遂行し、完了した業務についてはチェックしていきます。
予定が見えると段取りも見えてきます。
次ページに「見える化」した予定表のモデルを紹介しますが、ポイントは、自分に合った予定表を活用することです。
To-Do リストを作成し、今週やるべきこと、今日やるべきこと、時間帯別にやるべきことを整理し、大-中-小へとブレークダウンすることにより上手い段取りを組むことが可能となります。

予定表モデル

(2)非日常業務は、業務フローの「見える化」で、確実に段取りを行う

業務の流れをフローチャートに落とし込み、自身の業務について、作業の洗い出しを行い、段取り項目を整理していく手法です。
下記に定例会議の準備フローをチャートで表しました。
このように段取りをビジュアル化させることで、スムーズに業務ができるばかりか、モレを防ぐこともできます。

フローチャートを活用し、自身の段取りチェックを行う

3.「段取り力」を高めるために5つのMでチェックする

スケジュールや業務内容をアウトプットして、見やすく、理解しやすくなったところで、最終的な段取りチェックを行います。
チェックは、ムダ、ムリ、ムラ、モレ、ミスという「5つのM」がないかどうかという観点で行います。

5つのMで最終チェック
さらに一歩進めて、より良い段取りはないかという点から見直せば、より完璧です。

より良い段取りを目指すチェック項目

こうした点からのチェックは、段取りを厳密に検討・評価する力を養います。
そのことも含めて、ここで得た成果は、今回ばかりではなく、将来的によりレベルの高い段取りづくりに役立ちます。

3.チームの「段取り力」を高めるポイント

1.チームの成果を最大化させるためには、チームとしての「段取りが」必要

少数精鋭の組織において、最大の成果を発揮するためには、一人ひとりの能力を最大限発揮させ、業務効率化を継続して取り組むほか、将来のチーム業績向上に向けた新たなテーマ(商品、サービス)開発などを行わなければなりません。
これらを全て行うためには、チーム全体の「段取り力」を高めていく必要があります。
そのためには、チームリーダーが中心となって取り組んでいく役割を担っています。

チームリーダーの役割

3.メンバーの能力を高める「段取り術」

チームの目標達成を図るために考えるべきことは、いかにメンバー全員の能力を発揮させることができるかどうかです。
育成面において留意しなければならないことは、業務を行うための能力を高める指導を継続して行うことです。
例えば、リーダーが定型業務をメンバーに委譲したい場合、あらかじめ委譲する業務を誰に、いつまでに任せるかなどの整理を行ったり、委譲した業務をいつ、どのようにチェックするのかなどを考えなければなりません。
これらは、全て育成面での「段取り」と言えます。

チームリーダーが育成面において行うべき「段取り」

3.チームの問題を解決するための「段取り術」

チーム目標の達成に向けて取り組んでいる状況において、思うように業績が上がらないなどのケースでは、その取組み方法に何か問題点があるからです。
それを解決するためには、なぜそのような状況になっているのかを探り、それを引き起こしている要因を分析し、具体的解決策を立てていかなければなりません。
この問題解決における、チームとしての段取りのポイントは、改善策を実施したあとにチェックする段取りを行っていくことです。
以下では、業務改善をする上での段取りをフローで示しています。

チーム目標達成のための段取りフロー

4.情報収集から活用までの「段取り術」

これからの経営は、情報戦と言われるように、いかに有益な情報を集め、それを活用できるかにかかっています。
インターネット等の普及で、情報収集は格段と楽になり、誰でも膨大な情報を引き出すことが可能になりました。
この情報収集で重要なのは、多くのデータソースから寄せられた情報をいかに絞り込んで、良い情報を取捨選択できるかです。
ここでいう「良い情報」とは、収集の目的や必要に合致し、自社にとって有益となる情報を意味します。
ただし、情報をやみくもに集めてもそれを活用できなければ、膨大となった情報に埋没してしまいます。
そのようにならないためにも、以下に情報収集から活用までの段取りを説明しています。

情報活用の場面における段取りフロー

5.創造業務を行うための「段取り術」

創造業務とは、新たなビジネスチャンスを獲得する業務のことを言います。
その狙いは、既存業務のみでは、企業は停滞、そして衰退に向かってしまいますので、 創造業務によって、強い組織への変革にあります。
創造業務は、自社(チーム)の将来を有望なものにするために未知への分野へのチャレ ンジです。
今ある5つの経営資源ヒト(人材)、モノ(ハード)、カネ(資金)、トキ(時間)、シラ セ(情報)を最大限に活用するプロジェクトであるとも言えます。
ただし、新市場の開拓、新商品・サービスの開発、新技術の開発など、今までにないも のを生み出しますので、成功させるためには、十分な段取りが鍵を握ります。

(1)創造業務における段取り

創造業務は、その必要性と目的をはっきりさせることから始まります。
限りある経営資源をいかに有効に活用して、実現可能性を高めるために、事業の枠組み を決め、新規プロジェクトとしてまとめ上げます。

新事業開発における段取り例

(2)創造業務におけるチームリーダーの役割と能力

創造業務を成功させるためには、チームリーダーのリーダーシップが必須となります。
チームリーダーとして、創造業務を行うことは、与えられたリーダーとしての役割の中でも重要な位置を占めており、その役割を果たすためには、リーダーとして下記の能力を身につけ、その能力を高めていかなければなりません。

創造業務遂行に当たり、必要とされるチームリーダーの能力

まとめ

解説してきた段取り術については、そのノウハウやスキルを継続的に行っていくことによって習慣化され、自身の業務スキルの向上につながり、それが、チーム力の向上に寄与し、強い組織へとつながっていきます。
したがって、まずは個人レベルでの段取り術を身につけるためにも、日常業務における段取りを意識した業務遂行を実践していただきたいと思います。

■参考文献
「モレ・ムダ・ミスのない段取りのつけ方業務の進め方」(日本実業出版)神谷 一博 著
「段取り力を磨けば業務は成功する」(C&R研究所)高橋 宗照 著
「仕事効率を劇的にアップさせる頭のいい段取りの技術」(日本実業出版)藤沢 晃治 著
「段取りの教科書」(中経出版)吉原 靖彦 著
「仕事力が3倍アップする時間活用法」(実務教育出版)水口 和彦 著

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