1月に平成25年度の税制改正大綱が発表され、3月末に成立しました。
法人税に関する主な改正論点を挙げておきます。
(1)国内設備投資を促進するための税制措置の創設
適用期間中に取得等をし、国内事業の用に供する生産等設備の取得価額の合計額が次の(1)及び(2)の金額を超える場合において、その生産等設備のうち機械装置をその法人の国内事業の用に供したときは、その取得価額の30%の特別償却とその取得価額の3%の税額控除との選択適用ができます。
ただし、控除税額は当期の法人税額の20%まで(所得税も同様。)。
(1)当期における税務上の減価償却費
(2)前事業年度に取得等をした生産等設備の取得価額の合計額の110%相当額
適用期間…平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する各事業年度(設立事業年度を除く。)
(2)雇用・労働分配を拡大するための税制措置の創設
雇用者給与等支給額の増加割合(役員やその親族等は除く。)が前事業年度に比して5%以上である場合(次の(1)及び(2)の要件を満たす場合に限る。)には、その増加額の10%の税額控除ができます。
ただし、控除税額は当期の法人税額の10%(中小企業者等は、20%)まで(所得税も同様。)。
(1)雇用者給与等支給額が前事業年度の雇用者給与等支給額を下回らないこと。
(2)平均給与等支給額が前事業年度の平均給与等支給額を下回らないこと。
(※)平成25年4月1日以後に開始する各事業年度のうち最も古い事業年度の直前の事業年度支給額。
(3)雇用促進税制の拡充
税額控除限度額を増加雇用者数1人当たり40万円 (現行20万円)に引き上げます。
(4)商業・サービス業及び農林水産業を営む中小企業等の経営改善に伴う設備投資促進税制措置の創設
経営改善に関する指導や助言を受けた中小企業等が、平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に、その指導や助言を受けて行う店舗の改修等に伴い器具備品及び建物附属設備の取得等をした場合には、その取得価額の30%の特別償却とその取得価額の7%の税額控除との選択適用ができます。ただし、控除税額は当期の法人税額の20%まで。
控除限度超過額については、1年間の繰越しが可能です。
(5)研究開発税制の拡充
試験研究に係る各種税額控除制度につき、2年間の時限措置として、当期の法人税額の30%(現行20%)に引き上げます。
(6)環境関連投資促進税制の拡充
適用期限を2年延長します(所得税も同様。)。
(1)普通償却限度額との合計で取得価額まで特別償却ができる措置(即時償却)について、対象資産に熱電併給型動力発生装置を加えた上、その適用期限を平成27年3月31日までとします。
(2)対象資産に定置用蓄電設備等を加えるとともに、対象資産から補助金等の交付を受けて取得等をしたものを除外する等の見直しを行います。
(7)交際費等の損金不算入制度における中小法人に係る損金算入の特例の拡充
定額控除限度額を800万円(現行600万円)に引き上げるとともに、定額控除限度額までの金額の損金不算入措置(現行10%)が廃止されます。
つまり、他の費用と同様に、限度額までは全額が損金になります。
適用期間…平成25年4月1日から平成26年3月31 日までに開始する事業年度
(古賀 貴大)