中退共とは? -中小企業退職金共済制度-

中退共制度は、中小企業の従業員の福祉の増進と、中小企業の振興に寄与することを目的として、昭和34年に中小企業退職金共済法に基づき設けられた中小企業のための国の退職金制度です。

(1) 制度のしくみ

事業主が独立行政法人勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部(中退共)と退職金共済契約を結び、毎月の掛金を金融機関に納付します。
従業員が退職したときは、その従業員に中退共から退職金が直接支払われます。

(2) 加入条件は?

① 共済契約者
この制度に加入できるのは、次の企業です。個人事業の場合は、常用従業員数により判断します。
中退共とは? -中小企業退職金共済制度-
② 被共済者
この制度の加入の対象となるのは、中小企業の事業主に雇用されている従業員です。
企業の役員は加入することができません。
ただし、役員の方であっても、従業員として賃金の支給を受けている等の実態があれば、加入することができます。
なお、従業員を加入させる場合は、試用期間中の人、定年などの短期間内に退職する人、期間を定めて雇用される人などを除き、全員を加入させることが原則となっています。

(3) 毎月の掛金は?

従業員ごとに月額5千円~3万円の16種類から任意に選択でき、パートタイマー等の短時間労働者は、特例として少額の掛金でも加入できます。
また、掛金月額の増額は、掛金月額の種類の範囲内でいつでも行うことができますが、掛金月額を減額する場合は従業員の同意が必要です。
なお、掛金は12か月を限度としてまとめて前納することができ、その際、掛金の割引を受けられます。

(4) メリットは?

① 税法上、掛金は法人の場合は損金、個人の場合は必要経費として全額が非課税扱いとなります。
また、退職金の受取方法には、退職所得扱いになる一時払い、一定の要件を満たしていれば公的年金の雑所得扱いになる分割払い及び一時払いと分割払いを組み合わせて受け取る一部分割払い(併用払い)の3種類があり、受取時にもメリットがあります。
② 中退共制度に加入する事業主には、掛金月額の2分の1(上限5千円)を加入後4か月目から1年間、掛金月額を増額する事業主には、増額分の3分の1を増額月から1年間、国が助成します。
③ 退職金制度のある企業は、良い人材の確保・定着に繋がります。
また、中退共と提携しているホテル、レジャー施設等を割引料金で利用でき、従業員の福利厚生の充実が図れます。

(5) デメリットは?

① 加入して1年未満で従業員が退職した場合、退職金は支給されません。
また、1年以上2年未満の場合の退職金は、支払った掛金を下回ります。
② 事業主が従業員を懲戒解雇し退職金の減額を求める場合には、厚生労働大臣の認定を受ける必要があります。
なお、退職金が減額された場合でも、減額分は事業主には返還されません。
加入後の面倒な手続きや事務処理がなく管理も簡単に退職金の準備が出来るため、退職金の一部として中退共を活用することにはメリットがあります。
他の退職金積立制度と併用し、上手に活用されることをお勧め致します。

(田中 依子)