よくあるQ&A ~借入金について~

Q1.借入を検討しておりますが、タイミングや借入額の目安を教えてください。

A1- (1) タイミングについて
a)借入実績がある場合

既存借入先からの場合、先ずは担当者に事前相談してください。
直近の経営状況が良い場合には、決算書よりも試算表を提出して交渉すると、金利や返済条件を有利に進める事ができます。
また、金融機関が融資実績を金融庁に報告する時期、つまり決算期と中間決算期は、金融機関が融資したくなる時期であり、低めの金利での調達が可能となってきます。
さらに、金融機関から実績作りの借入の協力依頼があった場合は、他の金融機関への借換えも含めて相談されると、より良い条件での融資の可能性が高くなります。
但し、協力依頼されるためには良い業績であることが必須です。

b)新規の場合

新規融資の場合には、審査に時間がかかります。
日本政策金融公庫の場合で約1ヶ月、信用保証協会付き融資の場合だと2ヶ月はみておいた方が無難です。
そこから契約書の作成・送金まで約1週間。
資金が必要となる2~3ヶ月前には申し込まれることをお勧めします。
万が一、融資審査に落ちた場合には、他の金融機関で申し込むことも可能です。

A1- (2) 借入額について

運転資金の場合、月商の6ヶ月分を基準にお考えください。
それを超えると金融機関に借入過多と看做されるため、6ヶ月分以下で資金を回されることをお勧めします。
尚、実質無借金状態(借入金残高以上の資金がある)の場合は、基準は6ヶ月ではなくなります。
設備投資の場合には、減価償却期間と費用か判断されます。
設備投資での融資をお考えの場合には、借入可能かどうかを金融機関に相談するだけでなく、本当にその設備が必要かも慎重にご検討ください。
スペックを少し落とせないか?
中古品で賄えないか?
資金繰りに窮する要因の一つに、設備投資過多が挙げられます。

Q2.役員個人の住宅ローンと法人の借入金との関係について教えてください。

A2.一般的な与信枠ついて

基本的には、与信枠は別物とお考えください。
役員個人の住宅ローンの一般的な与信枠は、役員報酬額を基準に診査します。

(1) 倍額基準

役員報酬額の5~6倍までが一つの目安になります。
大手上場企業のサラリーマンの場合には、年収の7~8倍まで融資する金融機関もあるようですが、多くの金融機関では5~6倍が基準となります。

(2) 返済可能基準

年間の返済額を年収の20%以内と判断する金融機関もあるようです。
過去の事例として、個人の与信枠では通らなかったものの、法人での取引実績から支店長の口添えで審査が下りたこともあります。
逆に、法人部門の口添えがあったにも関わらず、個人の審査が通らなかった場合もあります。
尚、その法人への追加融資はその後も実施されていたので、法人の業績に関しては好意的に判断されていたようです。
これらの事例から、法人と個人の融資審査は、各々の基準に基づいて、別部門が担当していると思われます。
また金融機関独自の判断基準があるため、一つの金融機関で審査が通らなかったからといって、他の金融機関でも通らないという訳でもありません。
ご面倒ですが、様々な金融機関に相談されることも重要です。

弊所でも法人向けだけでなく、個人住宅ローンのご紹介も可能ですので、担当スタッフにご相談ください。