社員の成長が強い組織をつくる!社員を成長させる習慣化のポイント

1.成長企業に見られる組織と人の特性

1.成長企業に必要な2つの要素

長引く不況の中においても、成長を続けている企業も多く存在します。
いずれの成長企業にも共通している点は、「良い人材」が集まっている企業は、「良い組織風土」が築かれているという点です。 「良い組織風土」とは、共通の目標達成に向け、全社員が一体となって立ち向かっている 企業の姿が、社員一人ひとりの意識や行動パターンに植え付けられた目には見えない体質です。
「良い人材」とは、常に自己練成し、100%のパフォーマンスを継続して実践している人材です。
このような「良い人材」が数多くいる組織は必ず強くなります。
この2つの要素が満たされると組織は活性化され、成長企業になれる可能性が十分にあります。
社員が常に100%のパフォーマンスを発揮し、「良い人材」になるためには、良い行動を継続して取り組むことが必要です。
人は弱い動物であると言われているように、強い意志がないと意外に難しいものです。
ただし、日常生活における良い行動の習慣化によって意志が強くなり、仕事においても良い行動が習慣化されます。
今回は、「良い人材」になるために、良い行動を習慣化させるためのポイントについてまとめています。
是非、自社の社員教育において活用いただきたいと思います。

成長企業の基礎は、良い組織風土と良い人材でつくられている

(1)「良い組織風土」になるための基本原則

「良い組織風土」を築き上げたいと願う経営者は多いと思います。
良い組織とは、共通の価値感を持っている組織、高い目標を常に追いかけている組織などがありますが、これを下記のように4つの基本原則に整理することができます。
この4つの基本原則に基づいた組織作りを行うことが、「良い組織風土」の構築につながっていきます。

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(2)「良い人材」になるための基本原則

自社にとって良い人材とは、自社の価値感を共有し、高い使命感を持って、仕事をやり
遂げる社員です。このような社員が多く育つと、それが企業の成長にも寄与できるように
なります。
これは、社員一人ひとりのレベルにおいては、社員自身が正しいモノの見方や考え方を
身に付け、下記に示す4つの基本原則を身に付けると、自社にとって「良い人材」が数多
く輩出されます。

2.良い習慣を続けることで組織も人も変わる

自社にとって良い人材とは、自社の価値感を共有し、高い使命感を持って、仕事をやり遂げる社員です。
このような社員が多く育つと、それが企業の成長にも寄与できるようになります。
これは、社員一人ひとりのレベルにおいては、社員自身が正しいモノの見方や考え方を身に付け、下記に示す4つの基本原則を身に付けると、自社にとって「良い人材」が数多く輩出されます。
良い習慣を続けることで組織も人も変わる
「良い組織風土」や「良い人材」になるためには、継続した行動が伴わないと成果が表れません。
成果を上げるためには、決めたことは、中途半端にせずに最後まで取り組む継続性が重要となります。
有名な話ですが、イチローが最多安打記録を更新した際に、「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところに到達するただ一つの道」というコメントを残しました。このような超一流選手でさえ、誰かと違う特別な能力を持っているわけでもなく、また何か特別なことをやっているわけでもありません。
当たり前のことを当たり前のように継続することこそが、成果を挙げるためには重要であることを教えてくれています。
この継続性については、例えば、仕事を効率化するために今日の仕事は今日のうちに整理を済ませることや、健康のために早朝ランニングを毎日行うなどの日常生活における正しい習慣を継続して行うことによって強化されます。
次章において、日常生活における正しい習慣を身に付けるポイントについて解説します。

仕事における行動習慣と日常生活における習慣は関連している

2.良い習慣を身に付ける3つのステップ

1.行動のほとんどは習慣化されている

前章で述べた通り、自社において「良い組織風土」が築かれていると、社内において良い習慣が浸透しています。
例えば、社内での挨拶が徹底されている、ほうれんそうが徹底されているなどです。
「よい組織風土」が築かれている職場では、これらの習慣が無意識に続けられています。
人の行動のほとんどは、習慣によって決まっているといわれています。
心理学において も、人の行動の95%は、無意識によるものであると言われており、習慣のほとんどは、無意識のうちに行っていると裏づけられています。
なぜ、人は習慣化されたことによって行動するのかというと、逆に意識して出来ることには、限界があるからです。
この習慣化とは、脳に組み込まれたプログラムです。
ただし、脳に組み込まれたプログラムには、良い習慣と悪い習慣の区別がないということです。
ですから、自分で悪い習慣に気づき、その習慣を良い習慣のプログラムに書き換えることができれば、大きな成果を手に入れることが出来るとも言えます。

良い習慣を身につけることによって期待される効果
自分が良いと思って決めたことがなかなか習慣化できない理由には、脳の働きによるところが大きいと言われています。
なぜならば、脳には新しいことへ抵抗しようとする働きがあるからです。
この脳の働きは、人間の生命を維持するための本能であると言われています。
この脳の働きを利用し、良い習慣をいつもどおりのことと認識させることが必要です。
行動習慣については、習慣化することで仕事の能率アップにもつながります。
次項において、良い行動習慣を身に付けるためのステップを解説します。

2.習慣化を妨げる3つの壁

行動習慣は、1ヶ月で習慣化出来ると言われています。
まずは、習慣化したいテーマが 決まったら、1ヶ月続けてみましょう。
ポイントは一つ、とにかく1ヶ月間毎日続けることです。
毎日続けることで、脳に習慣 を覚えさせることができます。
この取組み過程において壁が立ちはだかりますが、以下のような対策を立ててください。
また、成功するポイントは、まずは習慣化させたいことを1つに絞り込み、結果にこだわらず行動することに集中することです。

習慣化を妨げる3つの壁

3.3つの壁を乗り越えるポイント

(1)第1の壁(~1週間)

習慣を身に付ける過程における最初の壁が反発期です。この反発期を乗り越えることができれば、成功する確率は非常に高くなります。
この時期においては、「とにかく続ける」ことだけに集中することです。
この段階では、 結果は気にせずに、まずは行動することがポイントです。
例えば、早起きして、早朝ランニングを開始するという目標を立てて取り組む場合に、最初は、短い距離を走ることからでも良いです。
最初から全部完璧に始めようとすると、かえって反発期の壁に跳ね返されてしまう恐れがあります。
また、記録に残しておくこともポイントです。
上記の例では、ランニング後にカレンダ ーや手帳に距離、コースなどをチェックします。
チェックすることで、視覚に訴えることができ、自分自身のモチベーションを高める効果が期待できます。

(2)第2の壁(~3週間)

始めてから1週間までは、天候の悪化、体調の悪化などで、せっかく始めたことでもそれを理由にして、辞めてしまう恐れがあります。
この期間においては、継続出来る仕組みやルールを決めておくことがポイントです。
例えば、雨の日は早起きは続け、自宅で体操をするなどの回避策を立てておきます。
習慣化が上手い人は、このような回避策を未然に立てています。
習慣化は、毎日やることが大事なので、出来るだけ毎日少しでも続けることが望ましいです。

例外ルールと対策例
この不安定期には、「予定どおりには事が進まない」というぐらいの気持ちになり、そのような環境変化にも対応出来る柔軟性を身に付けることも必要です。
また、この時期の対策としては、出来るだけ行動をパターン化することです。
身に付けたい習慣を毎日行う時間や場所を決めるなど規則正しくパターン化します。
そのほうが、生活のリズムにその習慣が浸透し、行動しやすくなります。
パターン化し、むしろ決まった時間にやらないとなんだか落ち着かないという状態になれば前進したと言 えます。

(3)第3の壁(~1ヶ月)

習慣化の過程において、最後の壁がこの倦怠期です。
この時期になると、そろそろ飽きてきたり、効果が出てこないとやることに意味を感じなくなることがあります。
しかし、せっかくここまで続けてきたのですから、なんとか乗り越えたい壁です。
この倦怠期を乗り越えるポイントは、やることに変化を与えることです。
身に付けようとする習慣はそのままに、環境を変えたり、自分にご褒美をあたえるなどのやる気のスイ ッチを入れることです。
ランニングであれば、走るルートを変える。ダイエットであれば食べるメニューを変えるなどの方法です。
合わせて、自分のやる気を高めるスイッチを入れることも効果的です。
例えば、ランニングに誰かを誘って自分に競争心を掻き立てる、ダイエットを続けている自分にご褒美の 買い物を行うなどです。
また、この時期においては、次のチャレンジする習慣を考え始めることも必要です。
今の習慣を身に付けた後に、次に目指す目標を自分自身に設定することで、良い習慣が連鎖的に増えていくことができます。
前述したとおり、「小さいことの積み重ね」が超一流への唯一の道であることを思い出してください。

自分のやる気を高めるスイッチ例

(1)年度経営計画策定の正しいステップ

年度利益目標を設定するときには、売上、変動費、固定費の増減をどのように考えればよいかを確認して、来期の計画イメージをつくります。
その後、利益計画を策定しますが、ポイントは損益計算書の下から、つまり目標利益の設定から始めることです。

3.仕事上手になるための行動習慣

1.仕事上手になるための10 の行動習慣

1日の時間は、24時間しかありません。
仕事が出来るか、できないかは、この24時間をいかに効率良く使えるかにかかっています。
時間管理が上手くなれば、仕事の効率が上がり、重要な仕事に時間を割くことができ、自分自身の能力アップにもつながります。
以下に、仕事上手になるための10のポイントをまとめましたので、実践していただきたいと思います。

仕事上手になるための10 の行動習慣

(1)仕事の開始時間を早くする

始業時刻の前や、朝早い時間に仕事をすると、電話や打ち合わせなどに邪魔されることがなく、自分の時間が確保できます。
まだ頭の中がすっきりした状態で、かつ、静かな時間の中で仕事に集中できますので、他の人が仕事を始める前に、いくつかまとまった仕事を終わらせることもできます。
また、この時間には、頭を使う仕事を行うとより効率的に仕事を進めることができます。

(2)To-Doリストを活用する

今日やらなければならないこと、やりたいことをすべて洗い出して、To-doリストを作ります。
To-doリスト作成のポイントは、緊急度の高い仕事を最優先にするなど優先順位をつけることです。
このリストを作成することで、自分の一日仕事が見える化し、段取りを考えた仕事が出来るようになり、効率的に仕事が進められます。

(3)時間を区切る

仕事をする時間が長いほど、より多くの仕事ができて生産性も上がるはず、と思っている人にとっては意外に思えるかもしれませんが、時間は短く区切った方が、効果的に仕事をすることができます。
例えば、1日8時間働くとしたら、1時間毎に8つに区切り、同じように仕事も8つのタスクに分けて、重要な仕事から先に片付けていきます。
制限時間があると集中力も上がり、生産性も上がります。

(4)仕事を阻害するものはまとめて行う

本来の仕事を阻害するものとして、メールや取引先への連絡などがあります。
それらは時間を決めて、まとめて行います。時間は1日の中でもなるべく遅い方がよいと言われています。
ただし、メールチェックなどは仕事に関わることもありますので、その場合は、1時間おきに10分だけなど目標時間を決めたほうがよいでしょう。

(5)メール、電話は最小限にする

メール、電話は1日の多くの時間を奪います。ですから、メールは、最低必要なことだけをまとめるのにとどめます。
そうすれば、自分の書いたメールに対する返信も短くなるので、メールを読む時間も短縮できます。
電話については、用件が済んだら長話しをせずに電話を切ることを心がけます。

(6)会議の時間を短くする

会議の時間を短く設定すると、拘束される時間が少なくなるため、自分の使える時間が増えます。
会議を行う際に、集まった段階で資料を配布し、意見を求めるのでなく、あらかじめ資料を配布しておき、すぐに意見を集めることから始めます。
報告だけで済むものは、社内メールなどで資料データを事前に送付するだけで会議の時間は短くできます。
また、会議時間を1時間と決めるなど、予め時間を設定しておくのも会議を短くするポイントです。

(7)自動化する

日々の雑事を減らすことが、大事な仕事やクリエイティブな仕事の時間を増やします。
ですから、どんな些細なことでも自動化出来るものは、自動化します。
例えば、テキストの入力補助や、PC操作のショートカットキーを活用することも自動化の一つの方法です。

(8)電子化する

会社で必要な書類は出来るだけ電子化する方が、かなりの時間の節約になります。
これは自分の仕事の効率化というよりも、組織の仕事の効率化にも繋がりますので、すぐに実行出来るものではないと思いますが、長期的な視点で見ても、出来ることから少しずつ始めていくべきです。

(9)机の回りを整える

これは、誰でもすぐに始められることです。退社するとき、長時間離席するときに、机の上の物を片付けます。
そうすると、頭の切り替えが出来る他、余計な資料を探す時間を省略でき仕事の効率化にもつながります。
いつ使うか分からないものについては、ファイリングし、引き出しやキャビネットに入れておきます。

(10)リセットする

長時間集中力を持続するのは難しいので、仕事を始めて数時間後に集中力が途切れてきたなと思ったら、一度リセットしましょう。
一般的には、2時間くらいが集中出来る限度 と言われています。
リセットの方法としては、お茶やコーヒーを飲む、ちょっと散歩するなどの自分なりの方法を探してみてください。
1日に数回リセットすると、再度集中して仕事を行うことができます。

2.健康を維持するための3つの習慣

どんなに優れた能力を持っていても、健康な体が保持できなければ、それを十分に発揮することはできません。
最近、テレビなどで生活習慣病について特集を組まれることが多くなってきました。
いくら優秀なビジネスマンであっても、生活習慣病は、仕事の敵になり得るものといっても 過言ではありません。
よい生活習慣を身につけ、良い健康状態を維持することもビジネスマンにとっては、非常に重要なことであるという認識を持たなければなりません。
以下に、健康を維持するための習慣として、3つのポイントをまとめましたので、これらを習慣化していただきたいと思います。

健康を維持するための3つの習慣

(1)食事

ほとんどの生活習慣病の原因には「肥満」が挙げられています。
肥満患者の多くにみられる内臓脂肪の過剰な蓄積は、糖尿病や高血圧、高脂血症をもたらし動脈硬化を引き起こします。
最近の研究では大腸がんとの関連も指摘されています。
その肥満の原因が、食べ過ぎと深夜の食事です。夜9 時を回ると体は蓄積のモードに変わるといわれていますので、腹八分目に抑えながら、夕食は早めに済ませるということが大切です。

(2)運動と睡眠

体を動かすことで全身の血流がスムーズになります。全身の細胞に酸素を届け、細胞で生産された二酸化炭素や老廃物を回収してくるのは血液の役割ですが、それがきちんと巡ることは健康維持にとって重要です。
特に、少し早めのウォーキングやジョギング、水中ウォーキングなどは体に過大な負荷をかけづらいこともあり、おすすめです。
もうひとつは、睡眠が挙げられます。
適切な睡眠時間は人によって異なりますが、6~ 8時間が標準的でしょう。
できれば、22時までに睡眠する習慣を身に付けると、多少短い睡眠時間でも、十分な疲れを取ることが出来ると言われています。

(3)お酒とたばこ

お酒は適量がよいのですが、社団法人アルコール健康医学協会によれば、ビール:中び ん1 本(500ml)、日本酒:1合(180ml)、焼酎:0.6合(約110ml)、ウィスキー:ダブル1杯(60ml)、ワイン:1/4本(約180ml)、缶チューハイ:1.5缶(約520ml)などが標準 的とされています。
また、週に1、2日は休肝日を作るとよいと言われています。
そして、たばこはできれば吸わないことが望ましいです。
喫煙が健康を及ぼす影響については色々な説がありますが、やはり良い影響を及ぼすとは考えづらいというのが定説に なっていますので、禁煙は大切であると言えます。

3.幸福感を抱くことが自身の成長につながる

幸福感を抱いている人は、そうでない人に比べ、より多く、肯定的感情を持っており、それが自身の成長につながるといわれます。
この肯定的感情は、新たな目標に積極的にチャレンジしようとする向上心を引き出すからです。
それだけでなく、困難に直面しても、肯定的な感情があれば、何とか克服しようとする意欲も湧いてきます。
したがって、肯定的感情を持って、幸福を実感できる機会をつくり、自分自身の自己満足感を得ることが成長への近道であると言えます。
イリノイ大学の心理学教授で、ドクター・ハピネスとして幸福度について35年間以上研究しているエド・ディーナー博士による幸福度をチェックする項目がありますので、自身の幸福度をチェックしてみてください。

幸福度のチェック項目例
上記の質問に対する答えが否定的であるならば、自分の人生において幸福感がまだ得られていない可能性があります。
現在は、幸福ではないが、将来に自分が望んでいたことを実現できたときに幸福になるだろうと思っているのであれば、今すぐ考え方を変えるべきです。
未来の人生のために現在の生き方を犠牲にしているとしたら、決して成功することも幸せになることもできないからです。
私たちが日頃感じる喜び、好奇心、高揚感のような肯定的感情と幸福を一時的な気分だと過小評価せず、幸福感こそが私たちの人生にとって大切な財産であり、成功に近づくことが出来ると思います。
最後に、良い習慣を身につけるポイントには、決して難しいものはないということです。
ただし、大事なことは「習慣化されるまで続ける」ことです。
いずれも成長している社員は、本レポートで紹介した項目の多くを習慣化しています。
良い習慣を身につけるために、自分で習慣化したいテーマを決め、まずは1 ヶ月間継続して取り組み、出来る社員に一歩ずつ近づけていただきたいと思います。

■参考文献
「仕事ができる社員、できない社員」 吉越 浩一郎 著 三笠書房
「仕事で成長しつづける52 の法則」 和田 裕美 著 日経BP社
「習慣を変えられれば人生は変えられる」 郭 錦珠 著 教育評論社
「30 日で人生を変える 続ける習慣」 古川 武士 著 日本実業出版社

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