1.インターネットの普及と高まるホームページの役割
1.インターネット利用者数
総務省通信利用動向調査によりますと、この5年間でインターネット利用率は増加を続け、全体では約80%に達しています。
下記のグラフで各年代別に見てみますと、13歳~49歳までのインターネット利用率は9割を超え飽和状況にあるのに対し、60歳以上の利用率はまだ低く、今後増加すると予想されています。
2.高まるホームページの役割
インターネットの普及に伴い、患者が医療機関を選択する手段としてホームページが大きな役割を果たしていることは次ページの表のとおり、周知の事実です。
これにより、各医療機関はホームページの制作に力を入れていますが、一般的なホームページを制作すれば良いということではなく、「より良い医療機関を探す」といった、患者の意識変化に対応したホームページを制作しなければ患者は獲得できない状況となっています。
3.スマートフォンサイトの増加
現在はパソコンによるホームページ検索が一般的ですが、今後はスマートフォンが増患対策の大きな武器になると考えられています。
2017年3月末までには、携帯電話の約7割がスマートフォンになると予測されており、スマートフォン対応も、ホームページ制作上の縦横なポイントです。
下記のグラフのとおり、各世代でスマートフォンが普及し、特に 20代以下では、スマートフォンが携帯電話を逆転しています。
2.医療機関ホームページガイドラインの内容
1.医療機関ホームページの位置づけ
医療機関のホームページについては、その情報を得ようとする人が自らアクセスして閲覧するなどの事情から、「広告」とは原則見なされていませんでした。
ところが、自由診療を行う医療機関のホームページに掲載されている情報を契機とするトラブルが発生したため、国民・患者が適切に内容を理解し、治療を選択できるように努めるという観点から、平成24年9月に、厚生労働省によって新たに「医療機関ホームページガイドライン(医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針)」が定められました。
このガイドラインによって、医療機関ホームページ上における不適切な内容に対して、行政指導ができるようになっています。
2.広告規制の対象外となる医療機関のホームページ
医療は人の生命・身体に関わる極めて専門性の高いサービスである、という考え方から、受診する人の保護の観点に基づき、厚生労働省の「医療広告ガイドライン」に客観性・正確性を満たすものについては、「(医療法の規制範囲内で)医療に関する広告」が認められています。
医療法では、国民・患者保護の観点から、医療機関の広告に関して細かい規定が定められていて、標榜科目・名称・診療時間などの基本的な情報など、限定的に認められた事項以外は禁止されています。
また、厚生労働省の「医療広告ガイドライン」では、広告規制の範囲、規制される広告内容が下記のとおりに定められています。
3.ホームページに「掲載すべき事項」「掲載すべきでない事項」
「医療機関ホームページガイドライン」には次のような2つの指針が示されています。
この指針の中で、ホームページに掲載すべき事項、掲載すべきではない事項について、具体的に提示されています。
3.アクセス件数を増加させるポイント
1.SEO対策の実施
サイトの評価を上げて検索結果の上位に表示させることをSEO(検索エンジン最適化) と言います。
SEO対策を実施することによりホームページを活性化させることができます。
SEO対策には、大きく分けて内部対策と外部対策の二種類の方法があります。
内部対策とは、サイト内・サーバ内で完結出来てしまう対策のことを指します。
具体的に言うと、 キーワードを埋め込んだり、ホームページのソースコードを直したり、SEO対策上有利に働く全ての作業を自分時自身が対応できる範囲内のことを言います。
もう一つの外部対策とは、通常、サイト等の外に対して行なうSEO対策で一般的にはリンクを張ることなどを指します。
(1)内部対策のポイント
(1)戦略的キーワードの選定
「歯科」と「歯医者」というキーワードを比べると、一般の患者は「歯医者」というキーワードでの検索しアクセス数が多くなっています。
ですから、出来る限り一般の人達が使うキーワードを絞って選定していくことが必要になります。
(2)最適なキーワードの選択とポイント
キーワードの選定を失敗すると大きな損失になります。
自医院の強みや地域要因、患者需要をしっかりと把握し、最適なキーワードを選択します。
(2)外部対策のポイント
外部対策は、内部対策と比べると費用がかかりますがが、しっかりと対策を行うことができるため、より効果を上げることが可能です。
具体的な対策は、以下のとおりです。
(3)SEOランキングの仕組み
検索エンジンでの検索結果は、利用者が見たいホームページを的確に検索するために開発した計算式(アルゴリズム)によって表示されています。
独自の計算式であり、非公開となっていますが、企画コンテンツ、更新頻度、外部リンクの3つの要素が大きく関係し ていると言われています。
2.患者が欲しい医療情報とは
(1)患者が医療機関について知りたい情報
患者が医療機関について知りたい情報で多いのは「ドクターの専門分野」で以下「必要な費用の概ねの金額」「診療科目」等となります。
(2)医療機関に対する患者の要望
医療機関に対する患者の要望として多いのは「待ち時間を短くして欲しい」「病気の状態や治療法を良く説明してほしい(インフォームドコンセント)」です。
3.来院を促すホームページ作り
(1)増患に繋がるホームページの方程式
競合の激しい歯科業界において、いかに注目されるホームページを作成するか。
どういう情報をどのように発信するかが増患のポイントとなります。
(2)閲覧数が多いホームページとは
ホームページで閲覧数が1番多いページは「スタッフ紹介」で、そこには院長の情報、専門分野は何か、人柄はどうなのかそこに働いているスタッフはどんな人がいるのかなど が掲載されています。
(3)ホームページ作成時に重視するポイント
ホームページ作成時に重視すべき項目は、下記のとおりです。
何よりも優先すべきは院長、スタッフの情報を提供することで、患者に親しみやすさを持ってもらうことです。
歯科医院運営はスタッフにかかっているといっても過言ではありません。
この重要なスタッフのモチベーションを高め、活かすには、医院という職場が夢の持てる場、働きがいのある場でなければなりません。
高いスキルや意識を持っているスタッフを上位ランクに格付けすることで、さらなるプロ意識の醸成と向上心に満ちたスタッフ育成をより効果的にすすめることができます。
4.ホームページ活用事例
1.わかりやすさを重視したホームページ事例
■ホームページの特徴
トップページでは視覚に訴えることを目的とし、文字を極力減らしで医院の外観や待合室・診療室など院内の雰囲気をスライドで表示しています。
画面上部のインデックスから診療詳細案内や医院詳細案内、院長のコラム、月間トピックに移動できるようにしています。
また、スマートフォン・携帯電話サイトにも対応しています。
医院のイメージカラーを暖かみのあるオレンジとしていることから、ホームページも連想されるように同色をバックに使用しています。
2.予約システムを導入しているホームページ事例
■ホームページの特徴
診療方針として患者にストレスをかけないことを心掛けており、診察予約や問診表記載でも好きな時間、好きなタイミングでできるようにネットでの予約受付や問診表のダウンロードによる対応を可能にしています。
また、スマートフォン用サイトもありフェイスブックも行っています。