仕事はあるけど人手が足りない状況打破に向けて

新しい年度が始まり、新入社員さんや学生さんが町中を闊歩している様子を見て春が来たなと感傷にふけっております桐元です。
ところで、ヤマト運輸の労働組合が、2017年の春季労使交渉で宅配便の荷受量の抑制を求めたとのニュースが話題になりました。
さらに、引っ越し大手のアートコーポレーションも引っ越しの集中する時期の受注件数を前年比で2割ほど抑制しているとようだ。
両社に共通しているのは、従業員さんの長時間労働を防ぎ、労働環境を改善するだけでなく、集めきれていないスタッフの採用状況を好転させることも狙っているのではと新聞等で報道されております。
宅急便の値上げへの布石でもあるでしょうし、本気でスタッフ採用の状況を好転させたい(少なくとも既存スタッフの処遇は改善したい)という強烈な思いは伝わってきます。
日本は長いデフレの影響なのか、値上げに踏み込みにくい環境がありますが、これだけ人手の確保が困難な状況が続くのであれば、少しずつでも人手という付加価値を認め合う社会が到来するのではと期待しております。

社会の変化は別として、現在、日本のいたるところで、「仕事はあるけど人手が足りない」という状況が見受けられます。
弊所のお客様も採用がうまくいっていない会社が増加しつつあります。

運送業や建設業、飲食店などの労働集約型ビジネスの陥りやすいボトルネックである人手。
たとえ人工知能が発達しても、実際にものを運ぶ仕組みを動かす現場が動けないという課題。

仕事はあるのに人手不足という状況を打破するための対応策は、(1) 採用、(2) 業務改善、(3) 高付加価値化 ではないでしょうか。
(1) 採用ですが、任せる業務を見直すことで、シルバー人材や主婦、学生の活用を検討されてはいかがでしょうか。
また、安定を望まれる方に向けて、個人事業をされている弊所のお客様は、仲間と共同事務会社を設立されて採用状況を好転された事例があります。
(2) 業務改善として、上記(1) にもつながりますが、業務フローを見直し、ムダ・ムラ・ロスがないか確認します。
スタッフ各人の時間当たりの生産性を向上させることができないか検討します。
(3) お客様のニーズがあることが前提ですが、サービス・品質を付加させることで、高付加価値化を図れないかを検討します。
デフレ慣れしていて、安いものにだけ目が行くように思いがちですが、セブンイレブンでも「セブン・プレミア」があるようにどんなジャンルの商品・サービスでも一定数の高付加価値を望まれるお客様がいらっしゃりますので、手間を増やすことで、高付加価値を図っていくのも一つの手段と思います。

業務効率を改善するのか、または、手間を加ことで高付加価値化へとシフトするのか、人手不足のこの状況なので、改めて見直すチャンスだと思っております。
参考までに、弊所は(1) の採用方法・ターゲットを変更することで、この人手不足を解消しようとしており ます。
ご興味あればスタッフか私に相談してください。

(桐元 久佳)