企業の成長と収益性のどちらを選択して経営するのがよいのか

ここ最近、知人や勉強会仲間やお客様から相談されたことで、本質的には同じことがテーマだと思えたのが、企業の成長と収益性のどちらを選択して経営するのがよいのかという点です。

メルカリさんとマクアケさんは、ともに創業10期目
で上場企業です。各種指標を参考までに記載しております。
ちょっと考えてください。
1. 成長性の指標は?
2. 収益性の指標は?

企業の成長と収益性のどちらを選択して経営するのがよいのか

成長性を売上高と考えると、メルカリさんの方が、売上規模が大きいので成長していると判断できます。
しかし、収益性という点も加味すると、メルカリさんは、膨張であって、収益の伴わない売上拡大政策かもしれません。
シェア確保を優先していると思えるメルカリは、今後、新たな収益源か収益ポイントを作ることで、売上だけでなく、利益の確保ができるのでしょうか?

 

この点、売上規模は、半分以下で見劣りしますが、マクアケさんの方が地に足のついた経営といえ、着実に利益の伴う売上を増加させていると判断できます。
では、単純に売上規模ではなく、収益性だけを高めるのがよいのかというと、中小企業における資金調達の方法は、ベンチャーキャピタルからの出資もあるでしょうが、現実的には銀行借り入れが主となります。
では、どちらの会社の方がお金は借りやすいでしょうか?
売上高     経常利益
A社  10億円      1億円
B社  100億円     1億円

ともに経常利益が1億円だとして、売上規模が10倍異なる場合には、①運転資金での資金調達ならB社の方が多額の運転資金を調達しやすいでしょう。
ただ、工場建設する場合には、どちらの会社の方が資金調達しやすいのか。
借りる金額と今後の事業規模の拡大余地での判断でしょうが、A社の方が金融機関からすれば、貸したいと判断することもあります。

このように企業の状況次第で、どのような損益計算書、貸借対照表がよいのかは、異なってきます。
そんなことを考えていると日本電産の永守さんの著書が目にとまったので、今回、まとめております。
対比して面白いのは、稲盛和夫さんの「実学」です。
ともに1代で超優良企業を育てられたお二人の著書を読み比べ、今後の御社の財務戦略方針を決めるために一読お勧めします。
もちろん私も弊所スタッフも研鑽し続けますのでご相談くださいませ。
(桐元 久佳)