BOLD ボールド突き抜ける力…ピーター H ディアマンディス /スティーブン コトラー (著) 土方奈美(翻訳)

「突き抜ける力:超ド級の成長と富を手に入れ、世界を変える方法」という本のタイトルに負けないレベルでの面白さがありましたので、今回はまとめてみました。

序章

人類の抱える最大の問題=最大のビジネスチャンス 数千年前まで、スケールの大きい問題を解決できる能力を持っていたのは、国王、ファラオ、あるいは皇帝だけだった。
だが今日、こうした問題を解決する能力は完全に大衆化された。情熱と意志さえあれば誰でも重大な課題に取り組むのに必要な技術、知識、資本を手に入れられるようになった。
エクスポネンシャル起業家にとり、重大な課題を見つけることが富を手に入れる有力な手段となった。

第一部 突き抜けるテクノロジー

リニア(線形関数的)な成長では、1が2になり、3になり、4になりといった具合に、「プラス1」ずつ増えていくのに対し、エクスポネンシャルな成長では1が2になり、4になり、8になりといった具合に倍々ペースで増えていく。
今、あなたのポケットに入っているスマートフォンが1970年代のスーパーコンピューターより1000倍速く、100万分の1の値段で手に入る理由は、価格と性能面の猛烈なエクスポネンシャルな成長の実像だ。

六つのD
(1) デジタル化:digitalization
人類の進歩は文化によって蓄積されていく、イノベーションは、人間がアイデアを共有・交換することで生まれる。
(2) 潜行:deception
エクスポネンシャルな成長が誰も気づかないところで進んでいく段階。
(3) 破壊:disruption
新しい市場を創造し、既存の市場を破壊するイノベーションである。
破壊は潜行に続いて起こるので、技術的脅威が最初に姿を現すときにはバカバカしいほどつまらないものに見える。
(4) 非収益化:demonetization
ある業界からお金という因子が消えることを意味する。
→別の業界はお金という因子がでてくる。
なお非収益化にも潜行性があるので、破壊されるある業界の方々は、劇的な変化への備えが出来ていなかった。
(5) 非物質化:dematerialization
モノやサービスそのものもが消えることを意味する。
(6) 大衆化:democratization
エクスポネンシャルな連鎖反応の最終段階であり、非収益化と非物質化の論理的帰結である。
この6つのDをコダック(カメラフィルムの会社、デジカメの普及で倒産したが、世界初のデジカメを開発したのもコダックの社員)を事例にしてとてもわかりやすく紹介しております。

第二部 突き抜けるマインドセット

傑出したビジネスリーダーの中核をなす精神的特性は、「ビジョン」、「凡人と彼らの最大の違いは、先を見通す能力だ」と心理学者のエドウィン・ロックは、スティーブ・ジョブス、サム・ウォルトン、ジャック・ウェルチ、ビル・ゲイツなどを分析した結果、導きだしている。

モノの考え方がすべてである。できると思う人はでき、できないと思う人はできない。
●ピーターの法則:諦めない情熱的な人間の信条
1.失敗する可能性のあるものは、手当てしろ!
2.どちらかを選べと言われたら、両方取れ!
3.二兎追う者は三兎を得る
4.トップからスタートし、さらに上を目指せ
5.教科書どおりにやろう・・・・・・ただし筆者は自分だ!
6.妥協を迫られたら、さらに要求を増やせ
7.勝てなければルールを変えよ
8.変えられないルールは無視せよ
9.完璧意外は受け付けない
10.試練がないときは、自らつくれ
11.「ノー」と言われたら一段階上に行け
12.走るときに歩くな
13.迷いがあるなら、考え抜け!
14.忍耐は美徳、成功するまでやり抜く粘り強さは天賦の才である。
15.きしる車輪は取り替えてしまえ
16.速く動くほど時間がたつのは遅くなり、長生きできる
17.未来を予測する最良の方法は、自分で未来をつくることだ
18.一とゼロの格差は無限大
19.インセンティブを与えたものが返ってくる
20.不可能だと感じたら、それこそやるべき仕事である
21.専門家とは「なぜできないか」をきちんと説明できる人間だ
22.画期的発明も認められる前日まではバカげたアイデアにすぎない
23.簡単なことなら、すでに他の人間がやっている
24.的を決めなければ絶対に当たらない
25.早めに、頻繁に、前のめりに失敗しよう
26.測定できないものは改善できない
27.この世で一番貴重な資源は、諦めない情熱的な人材である
28.お役所主義という障害物は粘り強さと自信、必要とあればブルドーザーで乗り越えよう

第三部 突き抜けるクラウドの力

ケーススタディとして、(1) フリーランサードットコム:アウトソーシングのマッチング会社、(2) トンガル:映像製作のマッチング会社 など数社の事例が紹介されております。

さらに、流行りのクラウドファンディングや賞金付きコンテストを成功させる手法についてもかなり詳しく紹介されております。

最後に、著者のMTP(世界に途方もない変化をもたらす目標)が紹介されております。

「多くの起業家が潤沢な世界を生み出しながら、途方もない富を創造するのを支援すること。」です。
世界で最も大きな問題は、世界で最も大きなビジネスチャンスにほかならないから、こうした問題が現代の金脈となるのです。

■桐元の感想と問いかけ

正直な感想・・・面白いけど理解出来ていないこともたくさんある。
実際、私は、お客様は何をすれば突き抜けることができるのか・・・悩みます。
悩めます。
ただ、それだけ面白いアイデアやヒントが散りばめられているので読み応え十分あります。
ぜひ一度読んで頂き、一緒に深いレベルまで読み込んでいければきっと御社も我社も更なる発展のヒントを得ることができる本だと思います。

Q1.皆様の周りに存在する大きな問題とは何でしょうか?

Q2.皆様のお仕事の本質的な価値とは何でしょうか?

すなわち、コダックのように急にデジカメが普及して業界が亡くならないようにするために、御社のコアな価値、提供しているモノ・サービスの本質は何でしょうか?
これを考えると、新しいサービスを開発できるように思いませんか?

Q3.6つのDにおける (1) デジタル化:digitalization (2) 潜行:deceptionが既に始まっているとしたら・・・どのようなものでしょうか?

BOLD ボールド突き抜ける力…ピーター H ディアマンディス /スティーブン コトラー (著) 土方奈美(翻訳)正直、私自身も考え始めたばかりで答えは見つかっていないです。
興味を持たれた方というより弊所のお客様には是非とも興味を持っていただき、読んで頂ければと思います。
まだ変化は始まったばかりです。
まだ間に合うと思います。
弊所の担当スタッフと私も混ぜていただき、この本からの学びを共有出来れば、きっと皆様の会社の業績も拡大するのではと思っております。
お勧め度:★★★★☆ 星4つ
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(桐元 久佳)