リース会計基準の変更について ~新リース会計基準~

新リース会計基準の概要

 

2027年4月1日以降に開始する事業年度から上場企業や会計監査人を設置する企業などを対象に適用される新しい会計基準です。
なお、2025年4月1日以降に開始する事業年度からの早期適用も可能となっています。
改正された背景には3つの理由があります。
① 企業の財務状況をより正確に反映するため
② 国際会計基準(IFRS)との整合性を図るため
③ 投資家への透明性向上のため
主な改正内容
① リースの定義と識別方法の見直し
② 借手のリース取引の区分を廃止し、原則全てのリースをオンバランス処理する
③ 財務報告における表示と開示

 

1. リースの定義と識別方法

 

【定義】
特定の資産を使用する権利(使用権)を取得するもの
従来のリース取引は、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースに区分されていますが、新基準では、これらの取引区分がなくなり、借手は一部の例外を除いて、すべてのリースについて資産及び負債を認識し、貸借対照表の資産と負債に計上する会計処理に統一されます。
・貸借対照表に「使用権資産」(資産)、「リース負債」(負債)として計上する
・「使用権資産」は減価償却、「リース負債」はその負債に対する利益相当額を費用計上
【識別】
次の2つの要件を満たしているかどうかで判断します。
① 資産が特定されているかどうか
② 使用期間全体を通じて、資産の使用を支配する権利が移転しているかどうか
次のa)及びb)のいずれも満たす場合、当該資産の使用を支配する権利が移転している。
a) 特定された資産の使用から生じる経済的利益のほとんどすべてを享受する権利を有している
b) 特定された資産の使用を指図する権利を有している

 

2.リース資産の減価償却限度額の改正

 

2027年4月1日以後に締結された所有権移転外リース取引のリース資産の減価償却について
残存保証額の設定がある場合でも、残存価額を「0円」とし、減価償却の計算を行います。

 

3.リース会計基準での影響

 

どのようの会社が影響を受けるのか
① 金商法対象会社となる上場企業等
② 会計監査法人を設定する企業
どのような影響を受けるのか
① 財務諸表・財務指標への影響大
B/S資産・負債が増加
P/L販管費減少、営業外費用増加
自己資本比率の低下
② リースに係る会計処理が複雑化・経理業務負担増

 

4.免除規定

 

下記の条件を満たす契約は免除規定を適用し、オフバランスも可能です
① 短期リース
・リース期間が12ヶ月以内
(契約期間ではないので注意が必要)
② 少額リース
・重要性が乏しい減価償却資産
・リース料総額300万円以下
・新品時の原資産の価額が5,000米ドル以下程度であるリース

 

5.その他 税法上の取扱い

 

① オペレーティング・リース取引
新リース会計基準とは異なり、従来から変更なく「賃貸借取引」のままです。
そのため、賃貸借契約した事業年度において支払う賃借料は損金算入します。
② リース資産の減価償却
備忘価額「1円」を残す必要があります。

(スタッフ S )