走り続けて

私がこの事務所に勤めはじめて1年がたちます。
それまでは、一人自宅にこもって試験勉強の日々そんな試験勉強中は気分転換のため、 趣味である自転車で、よく遠方へと走っていました。

職員の気ままなコラムメニュー > 走り続けて

飛行機・新幹線・高速道路
時間に追われる今の世の中で、あえて時間をかけて目的地へと進むということは、 遠回りではあるが、 新たな発見に出会うことが多い。

これは実家のある鳥取へ帰省した時の事です。

深夜の国道2号線 暗闇の中、前方を照らしてくれるのは自転車のライトと街灯だけ。
右も左も建物は立っているが人の気配は感じられない。

そんな中、ふと活気のある光に目が留まった。
その光が照らす家の中には、せわしなく動く機械とそこから出てくる大量の書類そしてそれを仕分ける数人のスタッフ。

そこは、新聞屋さんだった。
私が見たその光景は、広告が折り込まれた新聞を整理している最中だった。
実際に新聞の配達前の作業を見るのが始めてだった私。
新聞屋さんの朝は早いとは聞いていたが、聞いていた以上に朝早すぎる(朝ではなく夜)ことに対する驚きと、こんな時間から仕事をする新聞屋さんへの敬意の気持ちから、その時ふいに「ご苦労様です。」の言葉が口からこぼれた。

車であれば数時間の実家までのこの道は、その後もたくさんの経験をさせてくれた。

夕暮れに夜道の安全な走り方を教えてくれたのは、朝市の魚を引き取るために休憩を取っていたトラックの運転手さん。

鹿が鳴き、月明かりだけが照らす山中で「頑張ってください。」と信号待ちの時間で声をかけてくれたのは 道路工事の交通整理の方。 etc…

普通の暮らしでは出会えないけど、この旅によって出会えたすべての人たちに感謝の気持ちをいっぱいにして、時計の針が一周した頃、私は実家へとたどり着いた。

いつもは意識しなかった時間に、思いもしない場所で誰かが働き、四六時中、私たちの暮らしを支えてくれています。

そして、日々働く私たちも誰かを支えているのです。

「感謝の気持ちは必ず戻ってくる。」 自転車での旅は、いつもそれを五感で感じさせてくれます。

職員の気ままなコラム > 走り続けて