働きたくなる職場のつくり方 荒川 陽子 著

序章 成長し続ける職場にある「働きがい」

働きがいとは、簡潔に言うと、安心して快適に働ける「働きやすさ」とやる気に溢れる「やりがい」からなるものであり、働きたくなる職場を作る根本にある考え方です。
エンゲージメントとは、「会社と従業員の間の信頼関係」と言い換えられます。
働きがいとは、職場に「働きやすさ」という大前提がある上で、「やりがい」を感じている状態を指します。
「働きやすさ」とは、社内の環境や福利厚生も含めた制度など、会社側がある程度、整えるべきものと言えます。
「やりがい」とは、会社や社会への貢献実感や自己実現の度合いといった働く動機にかかわります。

アメリカの臨床心理士学者フレデリック・ハーズバーグ
衛生要因・・・会社の方針、労働環境、労働時間、報酬など。
本人の努力では、なかなか変えにくい要素。整っていないと不満に繋がるもの。
動機付け要因・・・仕事がもたらす達成感、自分の成長、責任ある仕事を任されることや挑戦の機会など。
本人の心理的要素による影響を大きく受ける。
あればあるほど、やる気やモチベーションに繋がるもの。
株式会社グロービスの堀義人氏によると、「働きやすさとは、人事制度などあくまで環境面での話です。
同社ではそれ以上にビジョンやミッションへの共感や、理想のキャリアの実現を重視しています。
優秀な人を採用したい場合は、職場の働きやすさよりも働きがいがさらに問われる。」、「優秀な人材が職場を選ぶ際の指標は『今日よりも明日成長していることを想像できるか否か』」。
働きがいは働きやすさとやりがいの両輪にあり、そのどちらか一方が損なわれては成立しないということです。
仕事の意味や価値を感じられるような職場環境(土壌)を経営・管理者が用意することで、従業員は働きがいを見つけること(芽)ができるものです。

【序章のまとめ】
⑴やる気がなくなる職場と働きたくなる職場の違いの根本には「働きがい」がある

⑵働きがい=働きやすさ+やりがい

⑶働きやすさは、快適に働き続けるための就労条件や報酬条件など。
衛生要因に近い。
見えやすい要素

⑷やりがいは、仕事に対するやる気やモチベーションなど。
動機付け要因に近い。見えにくい要素

⑸働きやすさとやりがいから、職場は4つに分けられる
「いきいき職場」「ばりばり職場」「ぬるま湯職場」「しょんぼり職場」

⑹働きがいと財務的成長には相関関係がある。

 

1章 働きやすさ+やりがいで変わる4つの職場

Googleが「効果的なチーム」について調査・分析した結果、次の事実にたどり着いた
・「真に重要なのは『誰がチームのメンバーであるか』より『チームがどのような協力をしているか』」
・「さまざまな協力の仕方がある中で、圧倒的に大切なのが『心理的安全性』である」
・「心理的安全なチームは離職率が低く、収益性が高い」
働きがいの観点から見ると、一方的なリーダーシップではなく、双方向の信頼関係が強固であることが有効性を決定付けていきます。
優秀な人材は総じて、給料や職位などの外的な評価だけはなく、内的な評価を大事にしています。
・会社・職場のパーパスやヴィジョンが魅力的か
・会社・職場の地域社会や世の中全体への貢献内容に共感できるか
・共に働く仲間や上司を尊敬できるか
会社側の情報公開は、従業員に心理的安全をもたらすだけではありません。
一体感・連帯感や、やりがい、さらには職業人としてのプライドやプロ意識まで呼び起こす力があるのです。
「施策の着手容易性」
「実施後の効果の見えやすさ」
「やりがい」を高めようと試行錯誤する姿、従業員のやりがい向上に寄与します。

経営・管理者が、やりがいと低くしている場合
・評価基準が曖昧であること
・従業員を職場の成果を上げるため道具・手段として扱うこと

部下の個性を知るには対話をするしかありません。
仕事ぶりから見えるものもありますが、「何に興味があり、何をしたいか」などは、刻々と変わるものでもあります。
本人に今現在のリアルな気持ちを尋ねる必要があります。
心理的な距離を普段から縮め、話しやすい関係を築いておくこおくことも大事です。

株式会社コンカー「フィードバックで、高め合う組織と実現」 なぜ、合宿で定めた目標を実現できたのでしょうか。
コンカーの「高めあう文化」という企業文化を社員全員が意識し、行動したからでしょう。
同社の高めあう文化とは、「フィードバックし合う文化」「教え合う文化」「感謝し合う文化」の3つで構成されています。
同社のスローガンは「No Feedback, No Concur」。
「相手のために愛情を込めてフィードバックをできる文化を、隅々まで浸透させたい」
働きがいが高い職場は、日頃から経営・管理者と従業員、職場全体のコミュニケーションが活発で、相互の信頼関係がしっかりとしています。
そのため、経営・管理者は何か新しい施策をやろうとした時に「その施策をなぜやるのか」の意図や背景を説明し、従業員の声を拾いながら、運用のチューニングをしていきます。
働きがいが高い職場は、トラブルにも柔軟に対応できる体質なのです。

アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Incの在宅勤務で想定した3つのリスク
1つは、対面コミュニケーションが減り、従業員と会社の繋がりが希薄化すること。
2つめは、経営戦略に関する理解が浅くなること。
3つめは、ひとりで仕事をすることによりメンタル的に辛くなるかもしれないことです。
3大リスクを解決するために、同社ではポッドキャストによる番組「THIS WEEK」を発信することにしました。

どのような会社にも、従業員と心を通わせるための最適なツールが存在するはずです。

【1章のまとめ】
⑴バブル崩壊からの失われた30年の中で、「コミュニケーションの希薄化」「仕事の誇りを感じる機会の減少」などの問題が生じた。
結果として、かつては働きがいを感じることのできた「ばりばり職場」が「しょんぼり職場」になってしまった

⑵現代らしい、職場のやる気が感じられなくなったきっかけ
・仕事に貢献実感を感じない
・心理的安全性が担保されていない

⑶求められるリーダーシップは「強力なカリスマが会社を率いる」から、「周囲を巻き込み、行動を促す」に変わった

⑷働きやすさはあっても、やりがいが低い職場「ぬるま湯職場の問題点は「ぶら下がり社員の増加」と「優秀な人材の流出」

⑸経営・管理者が「やりがい」を下げているポイント
・評価基準が曖昧であること
・従業員を会社の成果を上げるための道具・手段として扱うこと

⑹「いきいき職場で特に注目したい点
・変化に対して柔軟である
・新しいチャレンジの芽を育む土壌がある

 

2章 働きたくな職場が持つ全員型「働きがいのある会社」モデル

[信頼]
従業員とマネジメントとの間にあるレベルの信頼を指します。リーダーへの信用、従業員の尊重や公平な扱い、
そして仕事への誇りと仲間との連帯感からなります。
[人の潜在能力の最大化]
属性や立場にかかわらず、人の潜在能力を最大化にすることを指します。
一部の限られた人ではなく、あらゆる人の力を引き出す(For All)ことが求められます。

[価値観(バリュー)] 会社の価値観(バリュー)を指します。明文化されたものだけではなく、従業員が日常の仕事やリーダーから感じられるものも含みます。

[リーダーシップの有効性]
企業のカルチャーをリードし、従業員の共感を呼ぶ有効なリーダーシップを指します。
どんな場面においても、一貫した効果的な戦略を描くことが求められます。

[イノベーション]
会社が変化に対応し、持続的に成長するためのイノベーションを起こすことができるカルチャーを指します
従業員の知性を刺激し、能力や思いを集結させることでつくられます。

[務的成長]
よいカルチャーから生み出される財務的な成長を指します。
中長期的に会社を維持・成長させるためには、ビジョンを明確にし、組織能力を高める必要があります。
マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱する「成功の循環図」によると「同僚と信頼し合える関係性があれば、ディスカッションを通じて生まれる思考の質が高まる」、そして「自分たちで自発的に動くことで行動の質も上がり、それが結果の質にも繋がる」ということが明らかになっています。

4つの理想のリーダー
① 陣頭タイプ:組織立ち上げ・変革期×成長過程メンバー
② 触発タイプ:組織立ち上げ・変革期×一人前メンバー
③ 先生タイプ:組織成長期×成長過程メンバー
④ 支援タイプ:組織成長期×一人前メンバー

実際の状況は複雑ですので、リーダーは常に状況を見極めながら、調整をかけなければなりません。
バリューを率先して示し、社内に浸透させていくのは管理職の役割です。
就活生や転職希望者は、採用エントリーをする時、何問かの選択式質問に回答し、価値観に共感できる場合しかエントリーできない仕組みになっています。
つまり、エントリー前に価値観のミスマッチをできるだけなくすようにしているのです。
ベストカンパニーは、自社の価値観を明確にして、特に採用場面でのすり合わせ、見極めを重視しています。採用後も、育成や教育、制度にまで一貫して価値観を浸透させています。
価値観が同じ人を採用するというのは、人種・性別・年齢・性格・能力・経歴・趣味・嗜好などまで、同じ人を採用することではないからです。

「社員発のコンテンツがブレイクした要因は3つある」
1つめは「オープンな文化」
2つめは「コラボレーションが生まれやすい土壌」
3つめは「挑戦を奨励する文化」

「Devi into Insights―本質を追求しよう―」「Brave Heart―ワイルドにいこう」「Team CUEBiC―チームでやろう」「Act with Pride―プロフェッショナルであろう」
特に「Brave Heart―ワイルドにいこう」は、積極的な挑戦や批判を恐れず、失敗を歓迎するこおを促すものです。

【2章のまとめ】
⑴職場の「信頼」はリーダーへの「信用」、従業員への「尊重」「公平」な扱い、そして仕事への「誇り」と仲間との連帯感からなる

⑵経営・管理者と従業の間に高いレベルの信頼があると、一人一人の能力が最大限に生かされる。
そのような企業は優れた価値観(バリュー)やリーダーシップがあり、イノベーションを通じて財務的な成長を果たすことができる

⑶求められるリーダーシップには「職場のフェーズ」「メンバーの成長ステージ」によって4つのタイプがある
①陣頭タイプリーダー ②触発タイプリーダー ③先生タイプリーダー ④支援タイプリーダー

⑷バリューとは、その社会に所属する従業員として大切にしたい価値観のこと。
明文化し、行動で示し、従業員に浸透させることが大事

⑸イノベーションが起こる土壌が整っている職場とは、共通の価値観を持つ、多様な人が集まる職場であること。
さらに従業員には「自律」と「共創」があり、挑戦が奨励されている

 

3章 働きたくなる職場のつくり方

時代や外部環境、一人一人の価値観や資質などは同じではないため、現代においては「会社が主導して、みんなが働きがいをつくる」という感覚を持つことを推奨します。
ミッション・ビジョン・バリューとは?
[ミッション]会社が果たすべき“使命”のこと。ピーター・ドラッカーが「リーダーが初めに行うべきことは、自らの組織のミッションを考え抜き、定義すること」と説くほど、重要である。

[ビジョン]ミッションを実現するために、将来に向かって“ありたい姿”を描いたもの。
企業として実現したい未来像に当たる。
ただし、普遍的なものではなく社会情勢などの外部環境変化により柔軟に変更していくことが求められる。

[バリュー]広く社会に対して“約束すること” “従業員に求められる行動指針・判断基準を言語化したもの。
可変的なビジョンとは異なり、基本的な価値観として普遍的に掲げられる。

「共感を得られるまで続けることが理念経営のカギ」

MVVをどうやってつくり、浸透させるか
・現在の場所を確認し。ありたい姿を描く
・求められる行動をする
・管理職が率先して示す
・人材マネジメントに組み込み、一貫して実践する
・浸透施策を継続し、浸透度合いを確認する
会社と約束した成果を出すために、自分のパフォーマンスを最大限に引き出す働き方を主体的に選択することができる人のことを、自律性がある人

〈相手を理解する3つのフレーム〉
①Skill(スキル)・・・・・・何ができるのか?
②Perspnality(パーソナリティ)・・・・・・どんな性格なのか?
③Context(コンテクスト)・・・・・・どんな背景や思いがあるのか?

「働きがいのある会社」認定・ランキングに社名があるような企業は「離職を必ずしもネガティブには捉えない」傾向がみられます。
「離職率が低いので、その職場の働きがいは高い」というわけではないのです。

【3章のまとめ】
⑴働きがいは、会社が主導して皆でつくるものという感覚を持とう

⑵仕事の動機は大きく「外発的動機付け」と「内発的動機づけ」の2つがある。
金銭や名誉などの理由が動機になっているケースは「外発的動機」でモチベーションは長続きしにくい。
「自分び合う」「使命だと思える」といった理由が動機になっているケースは「内発的動機」で長続きしやすい

⑶職場でつくれる働きがいの5つのポイント
①ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の浸透
②働きやすさ投資
③インクルージョンの担保
④やりがいに火を付ける
⑤職場カルチャーの明確化

⑷MVVの具体的な流れ
①現在の場所を確認し、ありたい姿を描く
②求められる行動を明確にする
③管理職が率先して示す
④人材マネジメントに食い込み、一貫して実践する
⑤浸透政策を継続し、浸透度合いを確認する

⑸働きやすさ投資の5つのポイント
①経営・管理者は従業員の提案・意見を聞いている
②安心して働ける環境がある
③働く環境の整備が整っている
④休暇が取りやすい
⑤ワークライフバランスが奨励されている

⑹職場を大きく変えたリモートワーク。
ワークライフバランスが向上した人は約6割だが、コミュニケーションの取りやすさや連帯感・一体感が低下したと捉える人が多い。
一方で、仕事のやりがいが高まった人ほど生産性も向上傾向にある。

⑺ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進とは、職場で多様な個性や考え方をお互いに認め合うこと。
そのことを通じて一体感のある状態をつくることが望ましい。
職場メンバーの「スキル」「パーソナリティ」「コンテクスト」を深い面まで知る関係づくりをしよう。

⑻やちがいを高めるアプローチとして、戦略的雑談「1on1ミーティング」を効果的に活用しよう。

⑼職場カルチャーを明確化し、浸透させること。
とりわけ採用の段階での見極めとすり合わせは職場とのミスマッチを避けるうえで重要

 

4章 多様性が活きる職場

働きがいとは決して画一的なものではなく、どこに見出すかは十人十色です。
多様性のあす職場では、互いの「コンテクスト」や「働きがい」を理解しあうことが求められます。

D&I促進による3つのメリット
①人材獲得力の強化
②リスク管理能力や監督機能の向上
③創造性や革新性の向上

D&Iに欠ける企業では、「グループ・シンク(集団浅慮(せんりょ))」(集団であるがゆえにかえって不合理な意思決定がなされてしまうこと)が起こり得ます。
例えば、アメリカでは、リーマンショックの原因は、「同質的な取締役会の構成が大きい」と指摘されています。
また、女性取締役を1人以上有する企業は、1人もいない企業と比べて金融危機後の回復力が強い傾向にあったというデータも存在します。
「パートナーが子どもを見てくれる週末や、子どもが寝静まっている早朝・深夜のほうが仕事をしやすい」という人もいるでしょう。
そのために、1カ月のうち時間好きな時に勤務すればよい」などの柔軟な制度を持つ企業
「人は抜擢すると成長する」という方針
抜擢されると「大きな仕事を任された責任感ややり切った達成感を経験できる」「責任範囲が拡大して個人の成長ややりがいが生まれる」という考え方
シニア採用を行う企業では、「シニアしか知らないような知識や技術が約に立つ」「管理職経験者として若手の育成に貢献している」といったポジティブな声が多くあります。
シニア一人一人の潜在能力を公正に評価し、活かせる職場を作ることが大事です。
シニアと若手の学び合う職場にするマインドセット

シニアの力を引き出すために、あえて若手との交流を促し「お互いから学び合う職場」をつくることも有効です。そのような体制が、「仕事を認められている」「自分の意思を上司も同僚も聞いてくれる」という本人の実感へと直結します。
ポストオフを受けた本人は「管理職を外された」という認識があるかもしれませんが、そうではありません。
期待される役割がこれまでとは変わったのだと捉えて、新しい環境で自分の力を最大限に発揮していただきたいと思います。
経営層は何のためにビジネスをしているのか
自分の仕事が、社会にどのようなインパクトを与えのか(どのような社会的意義があるのか)
会社はどのような考え・価値観を大切にしているのか
「我が社で働くことで、外でも通用する力がつきますよ。だから一緒に働きましょう」
「能力を高める取り組み」として、「CDC」(キャリア・ディベロップメント・サイクル)を回すことで実践しています。
CDCとは、「強み・課題も組み立て」「成長のテーマ設定」を「目標設定/評価する」のサイクルの中に組み込むこと。
そうすることで、メンバーの「ありたい姿を実現する」「仕事の経験を通して学び、成長する」ことを支援しています。

【4章のまとめ】
⑴多様な考えを持つ人が集う職場では、違いを認め合うカルチャーの醸成が必要

⑵D&I促進で3つのメリットが期待できる。
①人材獲得力の強化
②リスク管理能力や監督機能の向上
③創造性や革新性の向上

⑶ジェンダー平等な職場には、性別に関係なく、政党に扱われるカルチャーがあり、性差に寄らず働きやすい環境がある。
しかし、出産や子育てなどライフイベントごとに女性は働きにくい現状がある。
ジェンダー平等で働きたくなる職場のポイントは5つ。
①ジェンダーにかかわらず働きがいが高い
②女性管理職比率が、採用時の男女比率と遜色ない
③ライフとワークのバランスがとれるユニークな制度がある
④一般には「女性のための施策」とされるものが性別を限定せずに実施されている
⑤若いうちから責任ある仕事、ポジションを与えられている

⑷シニアの働く意欲は増加傾向だが、受け入れる企業の準備が整っていないことも多い。
知識や技術、若手育成への貢献など、シニア一人一人の能力を活かせる職場づくりが大事である

⑸「転職のハードルが低い」「自分らしい働き方を求める」若手に働きがいでアプローチする

 

5章 働きたくなる職場に変える“私”の役割

「人的資本経営」とは従業員が持つ知識や能力を“資本”と捉えて投資の対象と考え、持続的な企業価値の向上に繋げていくという経営の在り方です。
VUCAの時代に対応して企業価値を高めていくには、人材をコストや資源ではなく投資対象の資本とみなし、人材の価値を最大限にまで引き出す経営スタイルが求められています。

〈職場改革の4つの大きな流れ〉
①職場の調査・分析
②改革案の選定
③職場改革のストーリーを伝える
④それぞれの役割を全うする
働きがい調査で押さえておきたい3つのこと
1つめ、「無記名」であること。
2つめ、「忖度しない」としっかり通達すること。
3つめ、「ベンチマーク」と比較すること。

【5章のまとめ】
⑴人的資本経営が進展すると「組織と人材がお互いに選び合う対等な関係」「自律的な関係」へと進化することが想定される

⑵人的資本経営に関連した働きがいを求める施策数が多いほど、売上の伸び率も高い傾向にある

⑶働きがいのある職場を目指す3原則
その1 「働きがいのある職場を目指す」と宣言すること
その2 全員が職場に向き合い、役割を果たすこと
その3 「働きがいは権利」という考えを職場に浸透させること

⑷職場改革の「調査・分析」には客観的データを取り、問題を分析すること。「無記名」「忖度しない」「ベンチマークとの比較」が大事。
「改革案の選定」をする際には全社活動と職場活動を分けて検討する。
調査・分析結果とともに改革案の内容を全社に共有しよう。
「ストーリーを伝える」ためには職場改革の主体者である従業員が改革内容を理解・納得できるように伝えよう。
ポイントは「問題点」「対処法」「組織の未来図」が織り込まれた内容であること

⑸職場改革は、それぞれの役割を全うする」ことではじめて動き始める

⑹経営者は、職場改革に本気でコミットしつつ、現場に「任せる」。権限委譲と情報開示も丁寧に行うとよい

⑺人事には、働きたくなる職場をともにつくる仲間を増やす、「採用」という機会を最大限に活用すること、企業規模拡大における働きがい低下に対処することを期待したい

 

今月はこの本を選んだのは、中尾隆一郎さんの勉強会に著者の荒川さんが講師で課題本だったからです。
様々な企業の実践例も豊富で、参考にしやすいと思い紹介させて頂きました。
事例読むだけでもためになるのでお勧めです!
お勧め度:☆☆☆☆ 星4つ
(桐元 久佳)

働きたくなる職場のつくり方 荒川 陽子 著