Q.今月は売上が好調で利益も出たのに手元にお金がありません。なぜ?
A.利益とは、売上から費用の総額を引いたものですが、資金は、お金の入量(収入)から出量(支出)を差し引いた残りです。
現金主義ならば、利益=資金となりますが、会社の取引はいつも現金主義とは限らない為、利益と資金の残高は異なってきます。
Q.損益計算書(P/L)って何?
A.一定期間における経営成績を表す財務諸表です。
「収益」と「費用」が集計され、その差額である「利益」が表示されます。
Q.では、貸借対照表(B/S)って何?
A.一定時点(月末、年度末等)に会社の財産は何が、どれだけあるかを表す財務諸表です。
資金の調達(負債・資産)と運用(資産)を表します。
Q.なぜ、利益と資金が一致しないの?
A.利益がいくらかを計算する損益計算と実際のお金の動きである資金計算とが一致しない要因には以下のものがあります。
①掛売上、掛仕入等の信用取引が存在する為
掛け売上げは利益を計算する上で、売上高に算入され、利益の一部となりますが、お金は回収されていない為、利益と資金に差異を生じます。
②減価償却費や引当金のような、実際の支出を伴わない費用がある為
将来に備えて計上する引当金は、費用となりますが、お金は未だ出ていないため、これも利益と資金の差異となります。
③期末棚卸高が存在する為
商品を仕入れてお金を払うと資金は減少しますが、会計上、利益を計算する際には、在庫は仕入高から控除され、利益の一部となります。つまり、お金の既に出て行った在庫が、利益として計上されることから差異が生まれます。
④有形固定資産、保険積立金、長期前払費用や借入金、未収・未払金等、損益計算に計上されないものがある為
固定資産は、取得した時にお金は会社から出ていますが、減価償却という手続きにより耐用年数に渡って償却される為費用になるのは一部で、お金は出て行っているのに一部は利益として計上されることになります。
また、借入金の元本返済額は、会計上、費用とならない為、利益の中から返済することになります。しかし、お金は既に返済に回されている為会社には残っておらず、これも利益と資金の差異となります。
Q. では、資金に困らない為にはどうすればいい?
A.売上代金の入金や仕入代金の支払等、本業における資金の出入りを「経常収支」と言います。資金繰りを考える際には、この経常収支に、借入金の返済や調達、固定資産の購入や売却、税金の支払等の本業以外での資金の出入りを加味する必要があります。
資金繰りの改善策として以下のことが考えられます。
①利益を稼げているか
②経常収支がプラスになっているか
③売上債権の回収期間が長くなっていないか
④棚卸資産の残高が増えていないか
⑤買入債務の増減はどうなっているか
⑥設備投資、借入金の返済等は経常収支の範囲内で行われているか
⑦その他考慮すべき事項
(1)財務投資が与える影響
(2)増資の検討
利益と資金繰りについてご不明な点やご不安な点がございましたら、担当者又は、桐元までご相談ください。
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